杉本和巳衆院議員の「文書通信交通滞在費」「政党交付金」「政治資金」の矛盾する詐欺師的なデタラメ「人件費」使途・支出報告

１．これまでの投稿

　法律に基づき衆参の国会議員にその公的活動のために毎月交付されている公金が原資の「文書通信交通滞在費」（月１００万円、年間１２００万円）について「日本維新の会」の国会議員が毎月その残金を政党支部または資金管理団体に違法寄附して私物化していることを、以下の３つの投稿で指摘してきました。

日本維新の会が「文書通信交通滞在費」を「政治資金」と説明するのは“公金の私物化”のためだ！

馬場伸幸幹事長時代の「文書通信交通滞在費」７５％私物化と「身を肥やして誕生した政党」元代表の「マネーロンダリング」指摘

杉本和巳衆院議員の「文書通信交通滞在費」９９％私物化から見える「日本維新の会」の本音・体質

　先回の投稿では、以上の論点とは違い、「日本維新の会」が豪語する「文書通信交通滞在費」の使途報告における説明責任が果たされていないということを、梅村聡議員の場合を取り上げて検証しました。

梅村聡参院議員の「文書通信交通滞在費」繰入（寄附）目的の説明は「一切なし」、実質的な「繰入（寄附）」先は別団体だった！

　今回は、再び杉本和巳衆議院議員の「文書通信交通滞在費」使途報告書を取り上げますが、そのうち「繰入（寄付）」目的を「人件費」と明示している「主な内訳」分の金額が政党交付金使途報告書・政治資金収支報告書の「人件費」支出額と矛盾し虚偽であり、まるで詐欺師のような虚偽の説明に基づく手口であることを指摘します。

２．杉本和巳議員の「文書通信交通滞在」私物化は９９％でした

　杉本和巳衆議院議員は、すでに紹介したように、２０１７年に初めて「日本維新の会」公認で立候補して３期目の当選をしていました（本人の「プロフィール」（https://sugimoto-kazumi.com/profile/））ので、杉本議員の「文書通信交通滞在」の使途報告書は２０１７年１０月から２０２１年１０月までを対象にし（２０２１年は１１月分と１２月分はまだ公表されていませんでした）、「文書通信交通滞在」の９９％を政党支部または資金管理団体に繰入（寄附）して私物化していたことを確認しました（前掲３つめの投稿）。

杉本正巳議員の「文書通信交通滞在費」の毎年の繰入（寄附）とその割合

３．杉本和巳議員の「文書通信交通滞在費」の政党支部・資金団体への「繰入（寄付）」目的説明は８５％

　梅村聡参議院議員は、「文書通信交通滞在費」の資金管理団体への繰入（寄付）の目的を一切説明していませんでした。

　それに比べると、杉本和巳衆議院議員は、少しはマシのようです。政党支部および資金管理団体への繰入（寄付）の合計額のうち「主な内訳」の占める割合は、２０１９年と２０２０年は１００％ですから、「主な内訳」の記載はきちんと記載され説明されています。

　しかし、２０２１年は９４％に下がってしまいましたし、当初は十分説明されておらず、２０１７年の３か月間は２４％で、２０１８年は約６３％で、説明を徹底して行っていたわけではありませんでした。平均は約８５％！

杉本和巳議員の「文書通信交通滞在費」の政党支部・資金管理団体への繰入（寄付）

における「主な内訳」記載額とその割合

４．政党支部の政党使途報告・政治資金収支報告と矛盾する「人件費」目的の繰入（寄附）（いずれにせよデタラメ）

　杉本正巳議員の「文書通信交通滞在費」の毎月の使途報告書における「主な内訳」目的に基づき、公表されている２０１８年から２０２０年における政党支部の使途と資金管理団体の支出を確認したところ、矛盾することが判明しました。

　ここでは「人件費」に限定して検証します。

　杉本正巳議員が「文書通信交通滞在費」を「人件費」目的で政党支部に繰入（寄附）している年間金額は、２０１８年が１５０万円、２０１９年が３００万円、２０２０年が２５０万円でした（なお、2020年は10月「人件費・機関紙印刷代・発送費」50万円がありますが、これを除外。今回の以下での対象外になっている２０２１年も含め毎月の繰入（寄付）の一覧は末尾をご覧ください。）。

　杉本正巳議員が支部長を務める政党支部とは、「日本維新の会衆議院愛知県第１０選挙区支部」です。同支部の政党交付金使途報告書で「人件費」の支出額が幾らかを確認したところ、２０１８年は約４１６・５万円、２０１９年は約３５３・５万円、２０２０年は２９７万円でした。

　「文書通信交通滞在費」から政党支部に繰入（寄附）された「人件費」年間額と政党交付金から支出された「人件費」年間額の合計額は、２０１８年が約５６６・５万円、２０１９年が約６５３・５万円、２０２０年が５４７万円でした。

　となると、同支部の政治資金収支報告書における「人件費」の支出は、各年、その合計額以上になるはずです。同支部の政治資金収支報告書には、政党交付金の支出も含めて収支報告されますし、杉本正巳議員は紹介しているように政党支部に「文書通信交通滞在費」を繰入（寄附）したと使途報告していたからです。

　ところが、「日本維新の会衆議院愛知県第１０選挙区支部」の政治資金収支報告書における「人件費」の支出を確認したところ、２０１８年は政党交付金と全く同額の約４１６・５万円、２０１９年は約５９９・２万円、２０２０年は約４９４・７万円で、いずれの年も「文書通信交通滞在費」から政党支部に繰入（寄附）された「人件費」年間額と政党交付金から支出された「人件費」年間額の合計額を下回っているのです。

　もしも、後者の合計額が真実であれば、同支部の政治資金における「人件費」は２０１８年が１５０万円過少に、２０１９年は５４万円強過少に、２０２０年は５２万円強過少に、合計２５６・５万円強過少に記載されていることになり、政治資金規正法違反の虚偽記入罪に該当します。

　逆に、もしも、同支部の政治資金の「人件費」の支出額が真実となると、同支部の政党交付金の「人件費」の支出額が過剰に記載されていて、政党助成法違反の虚偽記入罪に該当するか、あるいは、杉本正巳議員の「文書通信交通滞在費」の「人件費」目的に繰入（寄附）額が過剰に記載されていて虚偽の使途報告になるか、のいずれか（あるいは両方）になります。

　いずれにせよデタラメな使途（または収支）報告なのです。

　したがって、杉本正巳議員が政党助成法違反も政治資金規正法違反もないと強弁したとしても、同議員が「文書通信交通滞在費」を「人件費」目的で政党支部に繰入（寄附）したと使途報告しているのは金額が矛盾するのでデタラメなのです。

日本維新の会衆議院愛知県第１０選挙区支部（代表・杉本和巳）「人件費」

５．資金管理団体の政治資金収支報告とも矛盾する「人件費」目的の繰入（寄附）（いずれにせよデタラメ）

　以上は「政党支部」の場合でした。では、次に、「資金管理団体」の場合です。杉本正巳議員が「文書通信交通滞在費」を「人件費」目的で資金管理団体に繰入（寄附）している点を検証しましょう。

　その年間額は、２０１８年が０円、２０１９年が３００万円、２０２０年が２５０万円でした（なお、今回の以下での対象外になっている２０２１年も含め毎月の繰入（寄付）の一覧は末尾をご覧ください。）。

　一方、杉本正巳議員が代表を務めている資金管理団体とは「中部政治経済会議」です。その「人件費」の支出額は、２０１９年は１８０万円で、２０２０年は「なし」（０円）でした。いずれの年も「文書通信交通滞在費」から資金管理団体に繰入（寄附）された「人件費」年間額を下回っているのです。特に２０２０年は人件費の支出が１円もないのに、「文書通信交通滞在費」から資金管理団体に「人件費」目的で繰入（寄附）され続けたのには驚きます。

　もしも、杉本正巳議員が「文書通信交通滞在費」を「人件費」目的で資金管理団体に繰入（寄附）している使途報告書が真実であるというのであれば、資金管理団体「中部政治経済会議」の政治資金収支報告書における「人件費」の支出額は政治資金規正法違反の虚偽記入罪に該当します。

　一方、もしも、資金管理団体「中部政治経済会議」の政治資金収支報告書における「人件費」の支出額が真実であるというのであれば、杉本正巳議員が「文書通信交通滞在費」を「人件費」目的で資金管理団体に繰入（寄附）している使途報告が虚偽になります。

　いずれにせよデタラメな使途（または収支）報告なのです。

中部政治経済会議（代表・杉本和巳）の「人件費」

６．まるで詐欺師的虚偽説明は「日本維新の会」の体質的手口

　以上、杉本和巳議員の「文書通信交通滞在費」の支出のうち「人件費」目的での政党支部・資金管理団体への年間繰入（寄附）額を、政党交付金使途報告書・政治資金収支報告書の「人件費」支出額と比較しながら検証しましたが、「国民の皆様への説明責任を果たす」という「身を切る改革」を実行していないことは、あまりにも明らかですが、それだけではなく、公金である「文書通信交通滞在費」を私的な政治資金として違法に流用したいという本音を見破られないように、その使途を公表して説明責任を果たす「身を切る改革」の実行だと豪語していたのです。これまでは、まるで詐欺師のような手口としか思えません。

　馬場幹事長をはじめ「日本維新の会」の他の国会議員は、杉本和巳聡議員の以上の手口を知っているはずです。杉本和巳議員が、このような状態を２年も続けられてきたということは、馬場幹事長らは、その改善を求めていこなかったどころか、それを容認してきたことになります。

　「日本維新の会」が「繰入（寄付）」目的の説明の点でも、本気で説明責任を果たし「身を切る改革」を実行する気がないだけではなく、平気で虚偽の説明をしていたことが判明しました。これも同党の体質でしょう。

７．杉本正巳議員の「文書通信交通滞在費」の政党支部（日本維新の会衆議院愛知県第１０選挙区支部）への毎月の「人件費」目的「繰入（寄附）」

　なお、すでに紹介したように、「人件費」以外の目的に「主な内訳」もあるので、過去の投稿でご確認ください。

８．杉本正巳議員の「文書通信交通滞在費」の資金管理団体（中部政治経済会議）への毎月の「人件費」目的「繰入（寄附）」

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