政治資金オンブズマン

維新の「若手の改革のエース」池下卓・衆院議員らを政治資金規正法違反(寄附の個別制限違反と収支報告書不記載罪)で告発しました

はじめに・・・「週刊文春」のスクープ報道

 旧「村上ファンド」で有名な投資家村上世彰氏からの「日本維新の会」違法寄附受領等の事件については、ほぼ1か月前(2021年12月10日)に「日本維新の会」の馬場伸幸幹事長(当時。現在は共同代表)らを大阪地方検察庁(地検)に刑事告発しました。

有名投資家村上世彰氏の維新側への個人寄附を告発(政治資金規正法総枠制限違反) 

 新年早々、「週刊文春」(2022年1月6日発売、1月13日号)が、昨年10月末の衆議院党選挙で大阪10区から「日本維新の会」公認で立候補し初当選した池下卓・元大阪府議会議員に関しスクープ報道しました(“文通費問題の火付け役” 維新新人・池下卓議員に違法献金の疑い | 文春オンライン (bunshun.jp))。

 この報道によると、「池下卓後援会」の主たる事務所は父親の所有であり、その所在地は実家の敷地内にある、というのです。

 そのような状況の中、「池下卓後援会」が池下卓議員の父親(元高槻市議)から事務所の無償提供(寄附)を受け続けていながら、長年「池下卓後援会」の政治資金収支報告書の収入欄に、その無償提供(寄附)を記載しなかった、というのです(政治資金規正法の政治資金収支報告書不記載罪)。

 また、池下議員の父親は、2017年から2020年まで毎年、150万円を「池下卓後援会に」に寄附しており、150万円は、同一の者(一つの政治団体)に寄附できる上限(量的制限・個別制限)いっぱいの寄附だったので、事務所の無償提供分の寄附を加えると、その上限150万円を超えてしまう、というのです(政治資金規正法の個別制限を超える寄附の供与罪・受領罪)。

 「週刊文春」の記事を読むと、その取材に対し池下卓議員は上記の点につき否定せず、むしろ認めていました。

反省せず後知恵の弁明、率先して違法行為か!?

 ところが、その報道後、池下卓議員は、別の報道機関の取材に対し、父親から自分が事務所を借りていて、自分が事務所を「池下後援会」にまた貸ししたので、父親が150万円を超える寄附をしたわけではない旨、弁明したのです。

 しかし、この弁明は後知恵であり、真実ではないでしょう。また、父親は「池下卓後援会」の会計責任者でもあるので、その弁明でも息子(議員)をトンネルにした迂回寄附になってしまい、150万円の個別制限違反は成立します。

 池下議員は全く反省していないことがわかりました。

 また、以上以外に、「池下卓後援会」は、2015年に、150万円の寄附供与と10万円の寄附受領を政治資金収支報告書に記載していなかった政治資金規正法違反もありました(ただし、公訴時効)。さらに、2019年には、大阪府議会選挙で当選してから半年後に、公職選挙法違反の疑いのある「政治資金パーティ開催事業(海の上のビアパーティー)」を、わざわざバスで神戸市まで移動して開催していもいたのです(詳細は告発状をご覧ください)。

 池下卓議員は、昨年総選挙で当選直後からNHK「日曜討論」に出演して、文書通信交通滞在費について「任期1日で100万円出る。世間の常識では考えられない」などと述べ、その問題の火付け役になり、「身を切る改革」を広く宣伝している「日本維新の会」の「若手の改革のエース」と持ち上げられました。

 しかし、「池下卓後援会」の各政治資金収支報告書を調査・分析したところ、「政治とカネ」問題について単に法令順守できていないどころか、率先して違法行為を行っているのではないかとさえ思えてなりません。

大阪地検に告発状を提出

 そこで、昨日(2022年1月12日)、「週刊文春」が報道した各政治資金規正法違反の事件につき池下卓「日本維新の会」衆議院議員とその父親で「池下卓後援会」の会計責任者らを刑事告発するために、代理人弁護士を通じて大阪地検に告発状を提出しました。

 なお、池下議員の弁明が真実で父親の150万円を超える寄附の政治資金規正法違反が成立しないとしても、池下議員の無償提供の不記載罪は成立するので、この点は予備的告発として告発状に入れ込んでいます。

「池下卓後援会」の各年の政治資金収支報告書

「池下卓後援会」の2015年分から2020年分までの政治資金収支報告書は以下です。

以上。

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