小池百合子自民党衆議院議員(元防衛大臣)の政治資金問題その2 〜不可解な「調査費」支出とその領収書問題〜
先日は、権力にすり寄る無節操な「渡り鳥議員」で、東京都知事選挙に立候補を表明している、元防衛大臣の小池百合子・自民党衆議院議員の政治資金問題の一つを取り上げました。
小池百合子自民党衆議院議員(元防衛大臣)の政治資金問題その1
〜セコイ支出、不適切な支出〜
今回は、その2です。
(1)小池百合子議員の政党支部「自民党東京都第10選挙区支」は、2012年から2014年まで、「M-SMILE」(東京都渋谷区広尾5-17-11.以前は、東京都新宿区新宿5-11-28)に「調査費」を合計210万円支出しています。
支出の目的 | 金額 | 年月日 | 支出を受けた者の名称 | 支出を受けた者の所在地 |
調査 | 950,000 | 2012年12月3日 | MSMILE | 東京都新宿区新宿5-11-28 |
調査 | 250,000 | 2013年1月18日 | MSMILE | 東京都新宿区新宿5-11-28 |
調査費 | 900,000 | 2014年11月10日 | M-SMILE | 東京都渋谷区広尾5-17-11 |
合計 | 2,100,000 |
(2)この支出の特徴は、
- 支出しているのは、資金管理団体ではなく、政党支部であること、
- 2011年は「調査費」の支出がないこと(小池百合子_2011自民党東京都第10選挙区支部)、
- 「調査費」の金額が2012年と2014年はほぼ同じ金額(95万円と90万円)だが、2013年は、両年に比べ金額が少ないこと(25万円)
です。
(3)上記住所の「M-SMILE」は、インターネットで検索してもヒットしません(住所の異なるものはヒットしますが、それは別のものです)。
この「M-SMILE」は、存在するのでしょうか?
また、「M-SMILE」は、何らかの「調査」を行うところなのでしょうか?
これについては、「日刊ゲンダイ」が調査報道しました(「小池百合子氏に新疑惑 “正体不明”の会社に調査費210万円」2016年7月5日)。
その記事によると、上記のリンクのように小池事務所の担当者の説明を紹介しています。
「当初は『M―SMILE』という会社名だったのですが、現在は『モノヅクリ』という名前に変更されています。・・・支出目的? 選挙の際、世論調査をお願いしました」
(3)この説明によると、まず、小池百合子議員が代表を務める政党支部は「選挙の際の世論調査」を依頼したことになります。
2012年と2014年は総選挙がありましたので、この点では、その説明には整合性がないわけではありませんが、2013年は総選挙がありませんでしたので、整合性がありません。本当に「選挙の際の世論調査」を依頼したのでしょうか?
(4)また、「モノヅクリ」をインターネットで検索すると、上記所在地のところがヒットしましたが、この会社は、「日刊ゲンダイ」が紹介しているように「オーダースーツ専門の株式会社」のようであり、何らかの調査をするような会社には思えません。
これについても、「日刊ゲンダイ」がその会社の代表者に取材し、その代表者から以下のような説明を受けています(小池百合子氏に新疑惑 “正体不明”の会社に調査費210万円)。
「私は09年ごろから、個人的に『M―SMILE』という名で世論調査の事業を始めました。小池さんから仕事をいただき、軌道に乗れば法人登録したかったのですが、うまくいかなかった。そのため、12年に『モノヅクリ』を立ち上げ、オーダースーツの事業をメーンにしています」
(5)この「モノヅクリ」代表者の説明によると、「M-SMILE」は成功しなかったので、「モノヅクリ」を新しく立ち上げたことになります。
つまり、会社名が変更されたのではなく、「M-SMILE」と「モノヅクリ」とは全く別の会社という異なりますし、また、「M-SMILE」という会社は、成功しなかったので、2012年のある時点以降存在しないことになりそうです。
ということは、「会社名が変更された」旨の小池事務所担当者の説明は嘘になり、政党支部の政治資金収支報告書の記載は虚偽ということになります。
(6)さらに、問題があります。それは領収書です。
「日刊ゲンダイ」の取材に対し、小池事務所担当者は、以下のように説明したそうです(小池百合子氏に新疑惑 “正体不明”の会社に調査費210万円)。
「領収書に記載された会社名が『M―SMILE』だったので、それに準拠したまで。・・・」
(7)この説明は、全く不可解です。
「モノヅクリ」が、存在しなくなった会社の領収書を作成し、依頼者に出すでしょうか?
また、小池事務所も、依頼を「M-SMILE」にではなく、「モノヅクリ」に依頼したにもかかわらず、なぜ「M-SMILE」の領収書を受け取り続けたのでしょうか?
むしろ、存在しなくなった会社の領収書が意図的に作成されたのは、政治や選挙における裏金をつくなるなど不正な目的だったのではないか!?
そう疑われても仕方ないのではないでしょうか。
小池百合子議員は、都知事選挙に立候補する前に、きちんと説明すべきです。