政治資金オンブズマン

青木一彦議員(島根・鳥取県選挙区)を7月実施の参議院選挙における落選対象議員第8号として告発しました

青木一彦議員(島根・鳥取選挙区)を7月実施の参議院選挙における落選対象議員第8号として告発しました

島根県・鳥取県の青木一彦議員(自民党)を落選対象議員の第8号として3月15日付で島根地方検察庁に政治資金規正法違反で告発しました。

安保法制に賛成した議員であることにプラスして、「政治とカネ」についても極めて不透明な議員であると思われます。

青木一彦(島根・鳥取選挙区)参議院議員事務所

青木一彦(島根・鳥取選挙区)参議院議員事務所

告発理由

安保法制賛成議員にプラスして政治とカネについて2010年7月の参議院選挙に際して極めて不透明な資金で選挙資金を捻出している疑いがあることです。なお当時の自民党の幹事長などが自民党本部から約5億円余の資金を受取っています。1回で6000万円を受けとった議員もいます(写真を参考)。ところがこれらの議員はどこに、幾ら誰に配ったか一切報告していません。選挙資金が不透明な資金で調達されている議員はそれだけでも失格です。

同時に青木議員の場合は「組織活動費」とか「活動費」名目で多額の資金を支出して
います。又不透明な「政治団体」に多額の寄附をすることにより、その政治団体
から誰に幾ら支出したのか、極めて不透明な支出がなされています。
これだけ不透明な支出を繰り返す国会議員は新人候補ではあまり見かけません。以上のような理由から告発しました

自由民主党島根県参議院選挙区第一支部
№1 2011年活動費明細表
金額 年月日 氏名 住所
1 400,000 H23.1.25 谷口道明 東京都世田谷区
2 300,000 H23.2.3 佐々木弘行 東京都江東区
3 200,000 H23.2.24 妹尾哲 松江市
4 300,000 H23.3.10 松本美和子 松江市
5 300,000 H23.7.20 谷口道明 東京都世田谷区
6 100,000 H23.9.15 山賀佳奈子 東京都渋谷区
7 200,000 H23.9.20 松本美和子 松江市
8 300,000 H23.10.7 佐々木弘行 東京都江東区
9 150,000 H23.12.19 山賀佳奈子 東京都渋谷区
合計 2,250,000
№2 2011年不透明寄附
1 1,000,000 H23.5.16 一心会 松江市東朝日町7
2 1,000,000 H23.6.28 一心会 松江市東朝日町7
3 2,000,000 H23.10.18 一心会 松江市東朝日町7
合計 4,000,000
№3 2012年不透明寄附
金額 年月日 氏名 住所
1 2,000,000 H24.4.10 一心会 松江市東朝日町7
2 3,000,000 H24.6.29 一心会 松江市東朝日町7
3 1,300,000 H24.9.4 一心会 松江市東朝日町7
4 600,000 H24.10.22 一心会 松江市東朝日町7
5 3,000,000 H24.11.30 一心会 松江市東朝日町7
合計 9,900,000
№4 2013年不透明寄附
金額 年月日 氏名 住所
1 600,000 H25.2.1 一心会 松江市東朝日町7
2 1,100,000 H25.2.26 一心会 松江市東朝日町7
3 2,000,000 H25.3.15 みなずき会 出雲市大社町
4 1,500,000 H25.5.14 一心会 松江市東朝日町7
5 2,000,000 H25.5.31 一心会 松江市東朝日町7
6 1,000,000 H25.7.30 一心会 松江市東朝日町7
合計 8,200,000
№5 2014年不透明寄附
金額 年月日 氏名 住所
1 2,100,000 H26.2.4 一心会 松江市東朝日町7
2 1,000,000 H26.3.31 みなずき会 出雲市大社町
3 1,000,000 H26.8.25 一心会 松江市東朝日町7
4 1,000,000 H26.11.4 一心会 松江市東朝日町7
5 1,000,000 H26.12.11 一心会 松江市東朝日町7
合計 6,100,000

 

自民党の2010年参議院選挙前の政策活動費

自民党の2010年参議院選挙前の政策活動費1

自民党の2010年参議院選挙前の政策費

自民党の2010年参議院選挙前の政策費2

告  発  状

 

                                              2016年3月15日

松江地方検察庁 御 中

                                     上脇博之告発人ら15名代理人

弁 護 士    阪 口 徳 雄

(別紙代理人目録記載の弁護士26名代表)

 

青木一彦参議院議員他2名の政治資金規正法違反告発等事件

当事者の表示 - 別紙当事者目録記載のとおり

告発の趣旨

被告発人青木一彦(自由民主党島根県参議院選挙区第三支部および青木一彦後援会の代表者)被告発人宇家慶一(自由民主党島根県参議院選挙区第三支部の会計責任者)被告発人松本美和子(青木一彦後援会の会計責任者)の各行為は、以下の被疑事実記載の法条にそれぞれ違反するので早急に捜査の上、厳重に処罰していただきたく告発する。

 

               記            

第1 被 疑 事 実

1 青木一彦参議院議員の2010年7月選挙資金の金600万円の「出所不明」の被疑事実

被告発人青木一彦(以下青木一彦という)は2010年7月参議院議員通常選挙に際して、公職選挙法第189条第1項に定める「選挙運動に関する収支報告書」(以下本件選挙運動収支報告書という)の収入覧に、自由民主党島根県参議院選挙区第三支部(以下本件政党支部という)から金1600万円の寄附を受けた旨の政治資金収支報告書を島根県選挙管理委員会に提出しているが、2010年の本支部の政治資金規正法に定める収支報告書(以下本件2010年政党支部収支報告書という)によると青木一彦に対し、2010年5月31日に「選挙関係費」目的で寄附しているが、その金額は金1000万円にとどまり、それ以外に青木一彦への寄付がなされた旨の記載はない。同政党支部には当時、1000万円に加えて600万円を支払うだけの資金はあったものの、同年分以降の各政治資金収支報告書における「翌年への繰越額」で確認すると赤字になってしまうから、600万円の選挙資金は「出所不明」の資金によって調達されたがゆえに、記載されなかったものであろう。

本件選挙運動収支報告書通りとすれば、青木一彦は本件政党支部の代表(支部長)であり、2010年1月1日から同年12月末まで本件政党支部の会計責任者であった宇家慶一と共謀の上、本件政党支部報告書の収入欄に600万円に見合う収入を記載する義務と、また同支出覧には青木一彦に対し1600万円の寄付(または、1000万円の寄付に加えて600万円の寄付)をした旨を記載する義務があったのに、1600万円の寄付のうち1000万円の寄付だけを記載して600万円の寄付については記載せず、同収支報告書を島根県選挙管理委員会に2011年5月31日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号・第3号(不記載罪・虚偽記載罪)に違反したものである。

 

2 2010年「青木一彦後援会」への寄付金690万円の「出所不明」の被疑事実

青木一彦の資金管理団体である「青木一彦後援会」は2010年分の政治資金規正法に定める政治資金収支報告書によると2010年7月29日に本支部から金690万円の寄附を受けた旨の政治資金収支報告書を島根県選挙管理委員会に提出しているが、本件2010年政党支部収支報告書によると、「青木一彦後援会」に対し金690万円の寄付をした旨の記載はない。同政党支部には当時、690万円を支払うだけの資金はあったものの、同年分以降の各政治資金収支報告書における「翌年への繰越額」で確認すると当該690万円を服として支出していたら赤字に至ってしまうから、2010年7月29日に寄付した690万円の政治資金は「出所不明」の資金によって調達されたがゆえに、記載されなかったものであろう。

「青木一彦後援会」の2010年分政治資金収支報告書通りとすれば、本政党支部の代表(支部長)である青木一彦は、2010年1月1日から同年12月末まで本政党支部の会計責任者であった宇家慶一と共謀の上、本件政党支部報告書の収入欄に690万円に見合う収入を記載する義務と、また同支出覧には「青木一彦後援会」に対し690万円の寄付をした旨を記載する義務があったのに、その記載を一切行わず、同収支報告書を島根県選挙管理委員会に2011年5月31日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

 

3 青木一彦後援会の「組織活動費」名目の支出の被疑事実

青木一彦は「青木一彦後援会」の代表であり、2011年1月1日から2013年12月末まで本後援会の会計責任者であった松本美和子と共謀の上、

同後援会は別紙「青木後援会」欄記載の「組織活動費名目の支出表」記載の各金員(2011年は計270万円(№1)2012年は計460万円(№2)2013年は10万円(№3))を同記載の各個人に「組織活動費」名目で支出しているが、このような「支出」は真実の「支出目的」を隠ぺいする為に「組織活動費」と虚偽の記載を行い、本後援会の政治資金収支報告書を(東京都選挙管理委員会を介して)総務大臣に

2011年分については2012年6月25日に

2012年分については2013年7月3日に

2013年分については2014年6月4日に

それぞれ提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第3号(虚偽記載罪)に違反したものである。

4 本件政党支部報告書の「活動費」名目の寄附の被疑事実

青木一彦は「本件政党支部」の代表であり、2011年1月1日から同年12月末まで本件政党支部の会計責任者であった松本美和子と共謀の上、

同政党支部は別紙「自由民主党島根県参議院選挙区第三支部」欄記載の№1表の「2011年活動費明細表」記載の各金員(合計225万円)を同記載の各個人に「活動費」名目で支出しているが、このような「支出」は真実の「支出目的」を隠ぺいする為に「活動費」と虚偽の記載を行い、本件政党支部の政治資金収支報告書を島根県選挙管理委員会に2012年5月25日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第3号(虚偽記載罪)に違反したものである

 

第2 罪名及び罰条

被疑事実1、2における被告発人青木一彦、同宇家慶一の各行為は、政治資金規正法第25条第1項2号(政治資金収支報告書不記載罪)、刑法第60条(共同正犯)

被疑事実3、4における被告発人青木一彦、同松本美和子の各行為は、政治資金規正法第25条第1項3号(政治資金収支報告書虚偽記載罪)、刑法第60条(共同正犯)

 

告発の理由

 

1 公職選挙法と政治資金規正法の定め

①公職選挙法は、衆議院議員総選挙に際して、会計責任者に対し、「選挙運動に関する収支報告書」(選挙運動収支報告書)を作成し、都道府県の選挙管理委員会に出するよう命じている(第189条第1項)。

②また、政治資金規正法は、「政治団体の会計責任者(報告書の記載に係る部分に限り、会計責任者の職務を補佐する者を含む。)は、毎年12月31日現在で、当該政治団体に係るその年における収入、支出その他の事項で次に掲げるもの(これらの事項がないときは、その旨)を記載した報告書を、その日の翌日から3月以内(……)に、第6条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出しなければならない。」と定めている(第12条第1項)。

「国会議員関係政治団体」とは「衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者である政治団体」や「租税特別措置法 (…)第41条の18第1項第4号に該当する政治団体のうち、特定の衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者を推薦し、又は支持することを本来の目的とする政治団体」のほかに、「政党の支部で、公職選挙法第12条に規定する衆議院議員又は参議院議員に係る選挙区の区域又は選挙の行われる区域を単位として設けられるもののうち、衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者であるもの」も「国会議員関係政治団体とみなす」と定め(第19条の7第1項)、「国会議員関係政治団体(……)の会計責任者が政治団体の会計責任者として行う第12条第1項及び第2項……の規定による報告書及び領収書等の写しの提出に係る第12条第1項……の規定の適用については、第12条第1項中『3月以内』とあるのは『5月以内』と、……、同項第2号中「経費以外の経費の支出」とあるのは「経費以外の経費(第19条の7第1項に規定する国会議員関係政治団体である間に行った支出にあっては、人件費以外の経費)の支出」と……する、と定めている(第19条の10)。

そして、同法は、「第12条……の規定に違反して第12条第1項……の報告書又はこれに併せて提出すべき書面に記載すべき事項の記載をしなかつた者」も、「第12条第1項……の報告書又はこれに併せて提出すべき書面に虚偽の記入をした者」も「5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金に処する」と罰則を定めている(第25条第1項第2号・第3号)。したがって、もし収入につき収支報告書に不記載や虚偽記載がなされた場合があると「5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金」という刑罰でもって収入につき真実の報告を厳しく要求しているのである。

 

2 2010年7月選挙資金の金600万円の「出所不明」の事実

青木一彦は2010年7月参議院議員通常選挙において立候補し、当選した公職の候補者であった。同人の出納責任者であった細田保は本件選挙運動収支報告書を同年5月31日から7月26日までの間に本支部から金1600万円の寄附を受けた旨の本件選挙運動収支報告書を島根県選挙管理委員会に「第1回分」として同年7月26日に提出している。(甲第1号証(「島根県公報」号外182号(平成22年11月24日)3頁

一方、本支部の政治資金規正法に定める2010年本件政党支部収支報告書によると、本支部は、青木一彦に、2010年5月31日「選挙関係費」目的の寄附を行っているが、その金額は金1000万円にとどまり、それ以外に青木一彦への寄付がなされた旨の記載はない(甲第2号証)。また同政党支部には7月26日段階では金600万円を支払うだけの資金はあったものの、後述するように同年分以降の各政治資金収支報告書における「翌年への繰越額」で確認すると、金600円をそこから支払っていれば赤字に至ってしまうから、2010年における600万円の選挙資金は「出所不明」の資金によって調達されたがゆえに、記載されなかったものと思われる。それゆえ、言わば600万円の選挙資金は「出所不明」の資金によって調達されたものであろう。

本件選挙運動収支報告書通りとすれば、青木一彦は本政党支部の代表(支部長)であり、2010年1月1日から同年12月末まで本政党支部の会計責任者であった宇家慶一と共謀の上、本件政党支部報告書の支出欄に青木一彦に対し同年参議院議員通常選挙の選挙運動費用として合計1600万円を寄付して旨記載する義務があったのに、その一部である1000万円だけを記載し残りの600万円について記載せず虚偽の記載をし、同収入欄には当該600万円に見合った収入を記載する義務があったのに、それも記載せず、同収支報告書を島根県選挙管理委員会に2011年5月31日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号・第3号(不記載罪・虚偽記載罪)に違反したものである。

 

3 2010年「青木一彦後援会」への寄付金690万円の「出所不明」の被疑事実

政治団体「青木一彦後援会」は、青木一彦の資金管理団体であり、2010年分の政治資金規正法に定める政治資金収支報告書によると、2010年7月29日に本支部から金690万円の寄附を受けた旨の政治資金収支報告書を2011年5月31日島根県選挙管理委員会に提出している(甲第3号証)。

一方、本件2010年政党支部収支報告書によると、青木一彦後援会に金690万円の寄付をした旨の記載はない(甲第2号証)。同政党支部には当時、690万円を支払うだけの資金はあったものの、後述するように同年分以降の各政治資金収支報告書における「翌年への繰越額」で確認すると金690円をそこから支払っていれば赤字に至ってしまうから、2010年7月29日における690万円の政治資金は「出所不明」の資金によって調達されたがゆえに、記載されなかったものと思われる。それゆえ、言わば690万円は「出所不明」の資金によって調達されたものであろう。

「青木一彦後援会」の2010年分政治資金収支報告書通りとすれば、青木一彦は本政党支部の代表(支部長)であり、2010年1月1日から同年12月末まで本政党支部の会計責任者であった宇家慶一と共謀の上、本件政党支部報告書の収入欄に690万円に見合う収入を記載する義務と、また同支出覧には「青木一彦後援会」に対し690万円の寄付をした旨を記載する義務があったのに、その記載を一切行わず、同収支報告書を島根県選挙管理委員会に2011年5月31日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

 

4 「出所不明」の計1290万円

同政党支部の2010年分政治資金収支報告書における政治資金の収支状況を確認すると、同支部には当時、上記の600万円と690万円、計1290万円を支払うだけの資金がなかったわけではない。しかし、同年分以降の各政治資金収支報告書における「翌年への繰越額」で確認すると、計1290万円をそこから支出してしますと、次のように赤字に至ってしまう。 すなわち、2010年分以降の政治資金収支報告書における「翌年への繰越額」は、2010年が1466万1293円、2011年が1897万4680円、2012年が1281万4598円、2013年が443万8453円、2014年が429万5214円であるが、2010年の計1290万円の寄付を支出額を加えた場合、「翌年への繰越額」は、2010年が176万1293円、2011年が607万4680円、2012年がマイナス8万5402円(赤字)、2013年がマイナス846万1547円(赤字)、2014年がマイナス861万4786円(赤字)になってしまう。後年に赤字に至ってしまうということは、同年以降に記載されている支出内容が全て真実であったとすると、2010年における600万円と690万円の合計1290万円は、単純な記載漏れではなく、その原資を政治資金収支報告書で明らかにできない「出所不明」の資金によって調達されたものだったからに違いない。したがって、計1290万円の原資の不記載とその寄付としての支出を記載しなかったのは、故意による悪質なもので、代表である青木一彦の意向なしには行えない違法行為であったと言わざるを得ない。

 

5 青木一彦後援会の「組織活動費」名目の寄附の被疑事実

(1)「青木一彦後援会」は別紙「青木後援会」欄記載の「組織活動費名目の支出表」記載の各金員(2011年は計270万円(№1)2012年は計460万円(№2)2013年は10万円(№3))を同記載の各個人に「組織活動費」名目で支出している(甲第4号証、甲第5号証、甲第6号証)

このうち2012年の青木一彦への合計200万円の支出(№2の番号1、5、10)は、政治資金規正法第21条の2第1項が禁止している「公職の候補者の政治活動」に関する「寄附」であり、青木一彦は、同法第22条の2が禁止する、当該寄附の受領を行ったのである。

青木一彦以外の他の者への「組織活動費」名目の支出は、真実の支出というにはあまりにも抽象的であり、何の目的の遂行のための支出かは一切判明しない。たしかに政治資金規正法施行規則第7条2項に法12条第1項第2号に規定する総務省令で定める項目は「人件費・・・・・組織活動費、選挙関係費・・・・寄附・交付金及びその他の経費とする」と定めている。しかし、組織活動費とか選挙関係費などの多義的な支出の「上位項目」で全ての支出が許されるとすれば、法が要求している「政治団体の収支については、全て公表し、国民の批判に委ねるという本法の公開」の趣旨を大きく逸雑するものであると解される。住所が出雲市の者への「組織活動費」なる支出(№1表の5、6、11番)は公職選挙法が禁止している有権者への「買収」の対価の可能性もあるし、出雲市以外の者への「組織活動費」なる支出でも、これらの人物を「介して」有権者への迂回買収の対価の可能性もある。又これらの者への支出は青木関連の「政治団体」の代表、役職者らへの「小遣い銭」という単なる寄附の可能性も高い。これらの者への「組織活動費」なる支出は本来の目的を隠ぺいする為の記載であると解される。

よって「組織活動費」なる支出は真実の支出目的を隠ぺいする為に「組織活動費」と虚偽の記載を行い、本後援会の政治資金収支報告書を(東京都選挙管理委員会を介して)総務大臣に

2011年分については2012年6月25日に

2012年分については2013年7月3日に

2013年分については2014年6月4日に

それぞれ提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第3号(虚偽記載罪)に違反したものである。

(2)本後援会は、前述のような違法寄附とその違法受領、虚偽記載であることを継続するわけには行かないと判断したようで、2013年からは、「組織活動費」名目の支出をやめて(ただし№3表の2013年は一部残っているが)、別紙「青木一彦後援会」欄記載の通り、政治団体「三光会」への寄附(2013年(平成25年)の寄附額は合計800万円(№4)2014年(平成26年)は合計500万円(№5))に変わったようである(甲第7号証)。しかも貰った側の「三光会」の政治団体の収支報告書は極めて透明性がない。

ちなみに「三光会」の2013年の「組織活動費の渉外費」で具体的支出先の記載のあるのは12万7329円で「その他の支出」名目で451万円余が支出されている(甲第8号証)。2014年も「組織活動費の渉外費」で具体的支出先の記載のあるのは23万5350円で「その他の支出」名目で206万円余が支出されている(甲第9号証)。極めて不透明な金銭のやり取りでこれらの支出先に、以前にあった公職の候補者への違法寄附や「組織活動費」名目の寄附が存在するかどうか、会計帳簿を押収するなどして解明して頂きたい

 

6 本件政党支部の「活動費」名目の寄附

(1)青木一彦は「本件政党支部」の代表であり、2011年1月1日から同年12月末まで本件政党支部の会計責任者であった松本美和子と共謀の上、

同政党支部は別紙別紙「自由民主党島根県参議院選挙区第三支部」欄記載の№1表の「2011年活動費明細表」記載の各金員(合計225万円)を同記載の各個人に「活動費」名目で支出している(甲第10号証)

これらの者への「活動費」名目の支出は、真実の支出というにはあまりにも抽象的であり、何の目的の遂行のための支出かは一切判明しない。たしかに政治資金規正法施行規則第7条2項に法12条第1項第2号に規定する総務省令で定める項目は「人件費・・・・・・組織活動費、選挙関係費・・・・寄附・交付金及びその他の経費とする」と定めている。しかし、組織活動費とか選挙関係費などの多義的な支出の「上位項目」で全ての支出が許されるとすれば、法が要求している「政治団体の収支については、全て公表し、国民の批判に委ねるという本法の公開」の趣旨を大きく逸雑するものであると解される。住所が松江市の者への「活動費」なる支出は公職選挙法が禁止している有権者への「買収」の対価の可能性もあるし、松江市以外の者への「活動費」なる支出はこれらの人物を「介して」有権者への迂回買収の対価の可能性もある。又これらの者への支出は青木関連の「政治団体」の代表、役職者らへの「小遣い銭」という単なる寄附の可能性も高い。真実はいずれも「活動費」なる支出は本来の目的を記載せず、それを隠ぺいする為に、このような「活動費」名目の支出を行っていると解される。

よって、本件政党支部が、真実はいずれも他の目的の支出であるのに「活動費」と虚偽の記載を行い、本件政党支部の政治資金収支報告書を島根県選挙管理委員会に2012年5月25日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第3号(虚偽記載罪)に違反したものである

(2)本件政党支部は、このような「活動費」名目の支出が公職選挙法に違反する可能性もあり、又「活動費」という極めてあいまいな支出記載が虚偽記載の可能性が高いので、今後継続するわけには行かないと判断したようで、2012年から「活動費」名目の支出をやめて、別紙「自由民主党島根県参議院選挙区第三支部」欄記載の「2011年不透明寄附」(№2表)「2012年不透明寄附」(№3表)「2013年不透明寄附」(№4表)「2014年不透明寄附」(№5表)記載の通り、政治団体「一心会」や「みなずき会」への寄附に一本化し(甲第11号証、甲第12号証、甲第13号証)。(2012年は「一心会」から一部の「青木文雄」他の者に「組織活動費」名目で合計200万円を支出し、2013年は2名に20万円を支出している)

ちなみに本件政党支部の「一心会」なる政治団体への寄付額は2011年(平成23年)で合計400万円あったが、2012年(平成24年)は合計990万円に増え、2013年(平成25年)は合計620万円、2014年(平成26年)は510万円と巨額に達している。しかも貰った側の「一心会」の政治団体の収支報告書は極めて透明性がない(甲第14号証)。2012年の「組織活動費の会合費」で399万円のうち302万円が「その他の支出」で一切支出先が」記載されていない。「組織活動費の交際費」の266万6776円のうち全額が「その他の支出」で一切支出先が」記載されていない(甲第15号証)。2013年の具体的支出先の記載のあるのは12万7329円で「その他の支出」名目で451万円が支出されている(甲第16号証)。2014年も「組織活動費の渉外費」で具体的支出先の記載のあるのは23万5350円で「その他の支出」名目で206万円余が支出されている(甲第17号証)。極めて不透明な金銭のやり取りである。

(3)「みなずき会」なる政治団体も本件政党支部から2013年に200万円、2014年も100万円の金額が寄附されている(甲第18号証、甲第19号証、甲第20号証)が、実態は青木後援会連絡事務所内にあるようで、この団体の支出も実態は極めて不透明である。いずれにしても、同政治団体の会計帳簿を押収するなどして支出の実態を解明して頂きたい

 

 7 2010年7月選挙資金に関して選挙運動費用収支報告書等に記載のある金額がこれほど真実の出所と大幅に異なるのか。

私達が今年になってから告発した、松村祥史議員(熊本県選出)は3500万円、末松伸介議員(兵庫県選出)は1157万3千円、猪口邦子議員(千葉選出)は517万円の2010年の相当な選挙資金の「出所」に極めて「不透明な形で調達」されている。今回告発する中西祐介議員(徳島県選出)は345万6977円、中原八一議員(新潟県選出)は500万円、青木一彦議員(島根県選出)は600万円と同様の「不透明な調達」をしている。

告発されるとこれらの議員達は、「自己資金」であったとかの弁明を繰り返しているし、今後も同様の弁明を繰り返すことが予想される。「自己資金」か政党支部などからのカネであるかは、議員本人が一番良く知りうる立場である。選挙運動費用収支報告書の届をなす出納責任者も同様であり、単純なミスであるとの説明を信じることはできない。

これほど多くの議員達の選挙運動資金の「不透明な調達」の背景として、自民党議員の選挙資金の調達には相当な「裏カネ」があるのでないかと疑問をもつ。

その典型は自民党本部が幹事長などの議員個人に配布する「政策活動費」という、使途の報告されない議員個人への寄附金である。2010年1月から7月21日までに当時の自民党幹事長であった大島理森議員に3億8550万円、尾辻秀久議員には5月31日に一度に6000万円、河村建夫議員には5月13日から6月30日にかけて合計1150万円など9名の議員に2010年1月から7月の選挙終了まで合計5億1800万円が交付されている。これらの議員達はこの巨額の資金を何に使ったか一切報告していない。このような資金の一部が被告発議員の選挙資金の「不透明な調達」の背景にある可能性も高い。時効が近いが、このような巨額の不透明な資金について早急に捜査を遂げ厳罰に処して頂きたく告発する次第である。

証  拠  目  録

1 甲第1号証         島根県公報のうち本件選挙運動収支報告書

2 甲第2号証         2010年本件政党支部収支報告書     

3 甲第3号証         2010年青木一彦後援会収支報告書

4 甲第4号証         2011年青木一彦後援会収支報告書

5 甲第5号証         2012年青木一彦後援会収支報告書

6 甲第6号証         2013年青木一彦後援会収支報告書

7 甲第7号証         2014年青木一彦後援会収支報告書

8 甲第8号証         「三光会」2013年収支報告書

9 甲第9号証         「三光会」2014年収支報告書

10 甲第10号証        2011年本件政党支部収支報告書

11 甲第11号証        2012年本件政党支部収支報告書

12 甲第12号証        2013年本件政党支部収支報告書

13 甲第13号証        2014年本件政党支部収支報告書

14 甲第14号証        「一心会」2011年収支報告書

15 甲第15号証        「一心会」2012年収支報告書

16 甲第16号証        「一心会」2013年収支報告書

17 甲第17号証        「一心会」2014年収支報告書

18 甲第18号証        「みなずき会」2012年収支報告書

19 甲第19号証        「みなずき会」2013年収支報告書

20 甲第20号証        「みなずき会」2014年収支報告書

 

添  付  書  類

1 甲各号証写し                               各1通

2 委任状                       15通

 

 

 被 告 発 人 目 録

被告発人氏名 住所
1 青木一彦 松江市内中原町140-2島根県政会館3階
2 宇家慶一 松江市内中原町140-2島根県政会館3階
3 松本美和子 松江市内中原町140-2島根県政会館3階

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