政治資金オンブズマン

増田寛也元総務大臣の推薦母体の政治資金問題その2~ 自民党東京都支部連合会の不記載罪の疑い ~

 

 

1 増田氏を推薦する中心的議員で自民党東京都支部連合会所属の国会議員らの政治資金規正法違反の疑い

 

(1) 自民党東京都支部連合会(都支部連)に所属する国会議員でその推薦の中心人物である荻生田光一官房副長官については政治資金規正法の疑いについて東京地検に告発しました。

◇萩生田光一官房副長官(東京24区)を次期衆議院選挙における落選対象議員第3号として告発しました(萩生田光一官房副長官(東京24区)を次期衆議院選挙における落選対象議員第3号として告発しました

 

(2) 「都支部連」(会長・石原伸晃経済再生担当大臣)の政治資金規正法違反の疑い

 

①「闇ガネ」100万円の収支(2014年)

「自由民主党江東総支部」(以下「江東総支部」という。代表・堀川幸志)の2014年分政治資金収支報告書の支出欄には、

「自由民主党東京都支部連合会」(以下「都支部連」という。)に対し「東京政経フォーラム会費」として2014年11月10日に100万円を支出した旨記載されています。

http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/uploads/jimin20151119-jimin515.pdf

他方、「都支部連」の2014年分政治資金収支報告書には、「江東総支部」からの100万円の受領についての記載はありません。

2014年自民党東京都支部連合会)の政治資金収支報告書

 

「江東総支部」の報告書通りであれば、「都支部連」は、前記100万円を「闇ガネ」として受領するとともに、それを収入に記載していない以上、100万円を「闇ガネ」として支出したことになります。

これは、政治資金規正法の不記載罪に違反したのではないかとの疑いがあります(第25条第1項第2号)。

 

②「出所不明」の計44万3750円収支(2014年)

(ア)「自由民主党東京都参議院比例区第62支部」(以下、「都参議院比例区第62支部」という。代表・佐藤正久)の2014年分政治資金収支報告書には、

「都支部連」から

◇2014年3月28日に7800円、

◇5月7日に1万400円、

◇5月29日に4550円、

◇6月3日に1万4950円、

◇7月3日に4万7450円、

◇8月4日に1万8850円、

◇9月2日に8450円、

◇10月1日に1300円、

合計11万3750円の寄附を受領した旨、記載されています。2014自民党東京都参議院比例区第62支部の政治資金収支報告書

(イ)自由民主党東京都第11選挙区支部」(「都第11選挙区支部」という。代表・下村博文)の2014年分政治資金収支報告書の収入欄には、

「都支部連」から

◇2014年2月13日18万円、

◇3月19日23万2997円、

◇12月2日30万円、

◇12月3日3万円、同日3万円、

◇12月7日30万円の交付金(寄附)を受領した旨、記載されています。(下村博文_2014自民党東京都第11選挙区支部

 

(ウ)一方、「都支部連」の2014年分政治資金収支報告書には、

「都参議院比例区第62支部」への「寄附」についての記載は一切ありません

(エ)また、「都第11選挙区支部」への交付金(寄附)については、

◇2014年2月13日18万円、

◇3月19日23万2997円、

◇12月2日30万円、12月3日3万円は記載があるものの、

◇12月3日3万円、

◇12月7日30万円については記載がありません。

2014年自民党東京都支部連合会

 

(オ)「都参議院比例区第62支部」の報告書および「都第11選挙区支部」の報告書通りであれば、「都支部連」は、

「都参議院比例区第62支部」に「寄附」した計11万3750円と、「都第11選挙区支部」に「寄附」した計33万円を記載しなかっただけではなく、それを支出に含めて記載していない以上、その分の収入についても一切記載してはいないことになります。

つまり、合計44万3750円は、その供与者を公表できない、言わば「出所不明」の「闇ガネ」であったとしか考えられません。

これは、政治資金規正法の不記載罪に違反したのではないかとの疑いがあります(第25条第1項第2号)。

 

③「出所不明」の計68万9150円収支(2012年)

(ア)「都参議院比例区第62支部」(代表・佐藤正久)の2012年分政治資金収支報告書の収入欄には、

「都支部連」から

◇2012年8月27日に3900円、

◇8月31日に4万1600円、

◇10月31日に9100円、

◇12月10日に4550円、

◇計5万9150円の寄附を受領した旨、記載されています。(https://seijishikin-ombudsman.com/wp-content/uploads/2016/03/佐藤正久_2012自民党東京都参議院比例区第62支部.pdf

(イ)「自由民主党東京都第16選挙区支部」(以下「都第16選挙区支部」という。代表・大西英男)の2012年分政治資金収支報告書の収入欄には、

「都支部連」から

◇2012年10月15日3万円、

◇11月21日30万円、

◇12月4日30万円の「交付金」をそれぞれ受領した旨、記載されています。(https://seijishikin-ombudsman.com/wp-content/uploads/2016/03/大西英男_2012自民党東京都第16選挙区支部.pdf

(エ)「自由民主党東京都第11選挙区支部」(「都第11選挙区支部」という。代表・下村博文)の2014年分政治資金収支報告書の収入欄には、

「都支部連」から

◇2012年11月22日30万円、

◇12月4日に30万円、

◇12月4日に3万円の交付金(寄附)を受領した旨、記載されています。(https://seijishikin-ombudsman.com/wp-content/uploads/2016/03/下村博文_2012自民党東京都第11選挙区支部.pdf)。

 

(オ)一方、「都支部連」の2012年分政治資金収支報告書には、

「都参議院比例区第62支部」への支出についての記載は一切ありませんし、

また、「都第16選挙区支部」への支出については、2012年12月4日30万円(組織活動費)の記載はあるものの10月15日3万円、11月21日30万円の記載はありません。さらに、「都第11選挙区支部」への交付金については2012年12月4日30万円、12月4日3万円は記載があるものの11月22日30万円については記載がなされてはいません。

https://seijishikin-ombudsman.com/wp-content/uploads/2016/04/2012自民党東京都支部連合会.pdf)。

 

(カ)「都参議院比例区第62支部」の報告書、「都第16選挙区支部」の報告書および「都第11選挙区支部」の報告書通りであれば、

◇「県支部連」は、「都参議院比例区第62支部」への計5万9150円、

◇「都第16選挙区支部」への計33万円、

◇「都第11選挙区支部」への30万円を記載しなかっただけではなく、それらを支出に含めて記載していない以上、それらの分の収入についても一切記載してはいないことになります。

つまり、計68万9150円(計5万9150円および計33万円および30万円)は、その供与者の氏名・住所などを公表できない、言わば「出所不明」の「闇ガネ」であったとしか考えられません。

これは、政治資金規正法の不記載罪に違反したのではないかとの疑いがあります(第25条第1項第2号)。

 

④「出所不明」の計35万700収支(2013年)

(ア)「自由民主党東京都第10選挙区支部」(以下「都第10選挙区支部」という。代表・小池百合子)の2013年分政治資金収支報告書の収入欄には、

「都支部連」から交付金として2013年4月26日に30万円の寄附を受領した旨、記載されています。

https://seijishikin-ombudsman.com/wp-content/uploads/2016/03/小池百合子_2013自民党東京都第10選挙区支部.pdf

(イ)「自由民主党東京都参議院比例区第42支部」(以下「都参議院比例区第42支部」という。代表・宇都隆史)の2013年分政治資金収支報告書の収入欄には、

「都支部連」から交付金として2013年1月31日に5850円、2月18日に1300円、6月13日に5200円、7月1日に3900円、9月6日に1万5600円、11月1日に1300円、12月25日に1万7550円、計5万700円の寄附・交付金を受領した旨、記載されています。(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/141128/0030400018.pdf)

 

(ウ)一方、「都支部連」の2013年分政治資金収支報告書には、

「都第10選挙区支部」への30万円の支出」についての記載も、「都参議院比例区第42支部」への計5万700円の支出についての記載も、一切されてはいません。

https://seijishikin-ombudsman.com/wp-content/uploads/2016/04/2013自民党東京都支部連合会.pdf

 

(エ)「都第10選挙区支部」の報告書および「都参議院比例区第42支部」の報告書通りであれば、

「県支部連」は、「都第10選挙区支部」に交付金として寄附した30万円、および「都参議院比例区第42支部」に交付金として寄附した計5万700円を記載しなかっただけではなく、それを支出に含めて記載していない以上、その分の収入についても一切記載してはいないことになります。

つまり、合計35万700円は、その供与者を公表できない、言わば「出所不明」の「闇ガネ」であったとしか考えられません。

これは、政治資金規正法の不記載罪に違反したのではないかとの疑いがあります(第25条第1項第2号)。

 

2 増田氏推薦の団体の収支報告書には金額が小さいですが、上記のような不透明な寄附があります。増田氏はこれらについてどう説明するのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

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