政治資金オンブズマン

平成研究会収支報告書

政治団体「平成研究会」の資金収支報告書から何が見えたか。

2004年9月10日
政治資金オンブズマン

(概要)
 平成研究会は、昭和62年7月13日に設立され、当時の団体名は、経世会とされていた。その後、当団体の名称は、平成政治研究会の一時期を経て、平成7年度から現在の平成研究会の名称になっている。

(資金収支の状況)
 設立時から平成14年度の同会の収支報告書を時系列に取り纏めている。(別紙をご参照下さい。)なお、今般問題となっている日本歯科医師連盟からの1億円の献金は修正前の数値で当該表を作成している。

(何が見えたか)
1.繰越金は、最初の数年間は2億円から3億円であったが、平成5年度に4億円を超え、平成7年度に10億円を超え、その後13億円からピーク時には20億円となっている。収支報告書の(その16)の資産等の状況を見る限り普通預金などを除く資産としては、事務所の敷金の27百万円程度であるため、繰越金はほとんど普通預金などと考えられる。しかし、このような多額の資金残高が現金若しくは普通預金として残っていることは疑わしい。マスコミでは、これだけの資金残高がない報道がある。私たちのメンバーらが政治資金規正法違反で告発しているが、検察庁は厳重に調査することを望む。

2.当平成研究会も政治パーティーが行われている。平成14年度は、6月5日に東京プリンスホテルにて平成研究会セミナーが実施され、257,648,437円の収入があった。一方、このパーティーを開催する費用は、36,185,482円であり、差額の221,462,955円が利益となっている、利益率は、85.9%と凄い状況である。平成13年度も、平成12年度も同じような状況であり資金集金力に驚かされる。

3.支出の寄附・交付金は平成12年度から14年度は発生している。その以前は、平成5年度まで遡らなければならない。最近のこの支出の内容は、1件当り100万円ないし200万円を政党支部、政治団体に寄附しているのが実態である。

4.人件費として毎年4000万円程度が発生し、事務所費として毎年1億円程度から1億4000万円が発生しているのが最近6年間の実態である。資金収支報告書では、この事務所費の内訳は分からない。賃借料も含まれているのであろう。

5.平成研究会は橋本派の政治団体とされているが、事業として何が行われているのであろうか。特定の国会議員らからの収入とパーティー収入を財源として、その他多くの政治団体に寄附している。一方人件費などの経常経費を要している。資金の動きと事業内容が見えてこない。

6.個人の負担する会費として年間6000万円程度計上されている。所属議員1人当り60万円程度が会費として負担している収入のようである。

7.繰越金の相違があった。平成6年度末の残高は490,655,845円であったが、平成7年1月1日現在の前年度繰越金が590,655,845円であり、丁度1億円の相違があった。(このデータは官報から抜粋したもので当時訂正か何かがあったのかもしれない。)

8.調査研究費という支出項目があるが、当団体は設立時の2年間だけそのような支出があったが、平成元年度から今日までそのような項目の支出は一切ない。橋本派とするこの政治団体は集金、集票マシーンであると思われるが、カネの動きから見るとほとんど政策研究は行われていない。

以上

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