政治資金オンブズマン

質問状    【 資料② 】

資 料 ②

質  問  状

 謹啓 貴職日々ご活躍の段大慶に存じます。
 さて、私たちは、日本生命と住友生命の国民政治協会への企業献金が保険契約者の意思に反するとして、その差し止め等を求めて大阪地方裁判所に提起した訴訟を担当する弁護団であり、またそれを支援する市民団体です。
 今回の裁判の過程で、企業献金は何に使われているのか、その使途を調査しました。そのなかでとくに自由民主党(以下、自民党)の組織活動費について、いくつかの疑問が生じました。
 自民党からの組織活動費名目の支出は、支出された金額、その年月日、国会議員の住所、氏名が記載されているだけであるからです。1998年(平成10年)の各国会議員への支出金額は合計57億8670万円、1999年(平成11年)は総額48億350万円という巨額に上っています。
 各国会議員が主催する資金管理団体のうち自治省に届け出ている国会議員の同年度の収支報告書を見ますと、1998年は自由民主党本部から収入があったと記載されている国会議員はわずか7名であり、1999年は2名であります。都道府県に届出している団体についても記載がありません。大半の自民党国会議員は、自民党から交付された「組織活動費」なる名目で支出された金が何に使われたのか、収支報告書上不明です。
 とりわけ、大口受取人の国会議員を見ると、1998年は、
 加藤紘一氏に45回 合計9億3710万円
 森 喜朗氏に23回  合計4億1210万円 となっています。
 1999年は、森 喜朗氏に50回、合計7億1,420万円となっています。
 1回に巨額(1億円またはそれ以上)を受け取った国会議員もおられます。
 1998年6月1日  奥田幹雄氏 金1億円
    同日      関谷脇嗣氏 金1億円
    同日      宮下創平氏 金1億円
    同日      西田司氏  金1億2000万円

 私たちは、去る9月6日付で自民党本部に上記の件について公開質問状を送付致しましたが、本日に至るも回答がありません。そこで、1999年に自民党から組織活動費を受け取った各国会議員に対して、以下の諸点を質問させていただきます。院内外の議員活動でご多忙とは存じますが、別紙回答用紙によりFAX (06 – 6314 – 4187 )でご回答いただきますようお願い申し上げます。

質  問  内  容

1.貴職は、1999年に自由民主党本部より、組織活動費名目で別紙添付資料のとおり受領した旨、自由民主党の収支報告書に記載があります。この金額に間違いございませんか。

2.交付を受けた上記金額について、どのように会計上処理されましたか。
  ① 政治資金規正法ならびに公職選挙法上に定める収支報告書等(以下、これを総称する場合は本件収支報告書等という)に、    自民党本部から「収入」「寄付金」として記載した。

  ② 本件収支報告書等に一切記載していない。

  ③ その他

3.上記2①と回答された方にお聞きします。
  どのような政治団体に、誰からの収入(寄附)として記載しましたか。
  (例えば、自由民主党本部・金1000万円等と具体的に記載して下さい)

4.上記2②と回答された方にお聞きします。
  本件収支報告書等に記載しない理由は次のうちどれですか。
  ① 自民党の組織の機関または一員として交付を受け、そのために支出をしたものであり、議員個人として交付を受けたものではないから。

  ② 議員個人の政治活動に対する寄附として受領し、そのために支出したから、本件収支報告書等に記載する必要がないから。
  
  ③ 議員個人の所得税法上の申告書に記載したから。
  
  ④ その他

 時折しも国会議員の政治献金のあり方が問題となっています。本書到達後約10日以内に、別紙の文書でご回答下さるよう重ねて要請致します。

※ 別紙添付資料の各国会議員別の金額は自治省において手書きで写しました。細心の注意を払いましたが、金額等に誤りがあるかも知れませんので御了承下さいますようお願いします。

2000年11月25日

                大阪市北区西天満4-6-3 第5大阪弁護士ビル3階
                (TEL 06-6314-4192 FAX 06-6314-4187)
                 株主オンブズマン        代 表 森 岡 孝 二

                堺市○○○○
                日生・住生政治献金訴訟弁護団  団 長 松 丸 正
                 (FAX 06-6314-4187 株主オンブズマン宛)

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