銀行の政治献金再会は許されない!
銀行の政治献金再開は許されない!
政治資金オンブズマン
2006年10月25日
マスコミの報道によると、全国銀行協会の畔柳信雄会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は、昨日(10月24日)の会見で、「日本経団連から政治献金を再開してほしいという要請があった」と述べ、会員各行に対し要請を伝えたことを明らかにした、という。
周知のように、大手銀行は公的資金の注入を受けてきた。そのため、1998年から政治献金を自粛してきた。
これは、当然のことである。公的資金を受け取っている銀行が政治献金をすれば、公的資金が政治家や政党に還流することになるからである。
3大銀行グループがいずれも公的資金を返済したため要請があったとみられとも報じられているが、公的資金の返還が政治献金の再開を許容するものではない。
そもそも企業献金そのものが本来許容されないものと考えるが、それをさて置いても、銀行が政治献金するのは、以下のような理由から許されないと考える。
1.いわゆるゼロ金利が長期間続き、その解除後も低金利で預金者の利益を考慮していないこと。
2.大手銀行は多額の利益が出ているにもかかわらず、不良債権処理の過程で発生した欠損金が税務上繰り越されているため法人税を納税していないこと。
3.完済したとはいえ公的資金の注入を受けてきたので、銀行の政治献金は実質的にはその見返りとしての性格を否定できないこと。
4.企業献金は形式的には減少しつつあるにもかかわらず、過去に多額の政治献金を行ってきたトップの業界である銀行業界が政治献金を再開すれば企業献金の総額が再び増額に転じ、また昔に逆戻りしてしまうこと。
5.日本経団連が優先政策を策定し与党第一党の自民党と野党第一党の民主党の各政策を評価し通信簿を作成し、それに応じて傘下の企業に政治献金を斡旋している状況の下で、銀行が政治献金を斡旋することは日本経団連によるこの「政策買収」に大きく加担することになること。
以上のような理由から私達は銀行の政治献金を再開することは社会的に許されないと考える。
そこで、以下のことを要請する。
1.各銀行は政治献金の自粛を続けること。
2.全国銀行協会の畔柳信雄会長は日本経団連の要請に応じられないと返事すること。
3.日本経団連は銀行の政治献金再開の要請を撤回すること。
以上