政治資金オンブズマン

萩生田光一官房副長官(東京24区)を次期衆議院選挙における落選対象議員第3号として告発しました

告発理由

 

東京24区選出の萩生田光一官房副長官を落選対象議員の第4号として4月28日付で東京地方検察庁に政治資金規正法違反で告発しました。

安保法制に賛成した議員であることにプラスして、「政治とカネ」についても極めて不透明な議員であると思われます。

 

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告  発  状

 

                                                2016年4月28日

東京地方検察庁 御 中

                                     告発人上脇博之ら15名代理人

弁 護 士    阪  口  徳  雄

(別紙代理人目録記載の弁護士24名代表)

 

萩生田光一内閣官房副長官他1名の政治資金規正法違反等告発等事件

 

当事者の表示 - 別紙当事者目録記載のとおり

 

告発の趣旨

被告発人萩生田光一(自由民主党東京都第二十四選挙区支部および「はぎうだ光一後援会」の代表者)、被告発人高橋寛行(自由民主党東京都第二十四選挙区支部および「はぎうだ光一後援会」の会計責任者)の各行為は、以下の告発事実記載の法条にそれぞれ違反するので早急に捜査の上、厳重に処罰していただきたく告発する。

 

第1 告発事実

1 2014年「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」の告発事実

(1)萩生田光一衆議院議員の「出所不明」2014年12月選挙資金の金500万円の不記載の告発事実

被告発人萩生田光一(以下「萩生田光一」という。)は「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」(以下「本支部」という。)の代表(支部長)であり、高橋寛行は2014年1月1日から同年12月末まで本支部の会計責任者であったところ、

萩生田光一が2014年12月衆議院議員総選挙に際して、東京都選挙管理委員会に提出した公職選挙法第189条第1項に定める「選挙運動に関する収支報告書」(以下「本件選挙運動収支報告書」という。)の収入欄には、本支部から2014年12月11日金500万円の寄附を受けた旨の記載があるが(甲第1号証【2】)、2014年分の本支部の政治資金規正法第12条に定める政治資金収支報告書(以下「本支部2014年収支報告書」という。)には、当該500万円を12月11日付で萩生田光一に寄附した旨の記載はない(甲第2号証62頁)。

本件選挙運動収支報告書通りとすれば、本支部が萩生田光一に寄付した500万円は、その供与者の氏名・住所を公表できない、いわば「出所不明」のカネ(闇ガネ)で調達した資金によるものとみなさざるを得ない。

本支部の代表(支部長)である萩生田光一と同会計責任者であった高橋寛行は、本支部2014年収支報告書の支出欄に、萩生田光一に対し同年12月11日に500万円を寄付した旨を記載し、同収入欄に500万円に見合う収入を記載する義務を負っていたものであるが、上記両名は、共謀の上、上記義務に違反して、それらを一切記載せず、同収支報告書を東京都選挙管理委員会に2015年5月28日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

(2)受領寄付・交付金計43万9527円の不記載と闇ガネ支出の被疑事実

萩生田光一は本支部の代表(支部長)であり、高橋寛行は2014年1月1日から同年12月末まで本支部の会計責任者であったところ、

自由民主党東京都支部連合会(以下「都支部連」という。)が2015年2月10日に東京都選挙管理員会に提出した2014年分政治資金収支報告書(以下「都支部連2014年分収支報告書」という。)の支出欄には、本支部に対し2014年2月13日に22万円、3月12日に18万9527円、12月2日30万円、12月3日3万円、計73万9527円を寄付・交付金として支出した旨の記載がある(甲第3号証)が、本支部2014年収支報告書(甲第2号証)には、12月11日の30万円の寄附受領は記載があるので、これが12月2日の30万円の記載と善解するとしても、都支部連から寄付・交付金として計43万9527円を受領した旨の記載はない。

都支部連2014年分収支報告書通りとすれば、本支部が都支部連から受領した当該計43万9527円を収入として記載していないだけでなく、「政治活動の闇ガネ」として支出し、それを記載していないことにもなると考えられる。

萩生田光一と本支部の会計責任者であった高橋寛行は、本支部2014年分収支報告書の収入欄に都支部連から2014年2月13日に22万円、3月12日に18万9527円、12月3日3万円計43万9527円を寄付・交付金として受領した日時、金額を記載し、同支出欄にその使途及び金額を記載する義務を負っていたものであるが、上記両名は、共謀の上、上記義務に違反して、それらを一切記載せず、同収支報告書を東京都選挙管理委員会に2015年5月28日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

 

2 2012年「はぎうだ光一後援会」の金50万円の「闇ガネ」収支の被疑事実

政治団体「はぎうだ光一後援会」(以下「本後援会」という。)は萩生田光一の資金管理団体であり、同人が代表を務め、高橋寛行は2012年1月から同年12月末まで同会計責任者であるところ、

政治団体「清和政策研究会」が東京都選挙管理員会を介して総務大臣に提出した、政治資金規正法第12条に定める2012年分政治資金収支報告書(以下「清和政策研2012年分収支報告書」という。)の支出欄には、2012年7月4日に「はぎうだ光一後援会事務所」に200万円を寄付した旨の記載がある(甲第6号証24頁)が、本後援会の政治資金規正法に定める2012年分政治資金収支報告書(以下「本後援会2012年分収支報告書」という。)には、清和政策研究会から2012年7月4日に寄付を受領した旨の記載はあるが、受領額は150万円と記載されており、その差額50万円は記載されていない(甲第7号証5頁)。

清和政策研2012年分収支報告書通りとすれば、本後援会は、清和政策研究会から受領した上記200万円の差額50万円を収入にとして記載していないだけでなく、これを「政治活動の闇ガネ」として支出したと考えられ、それを記載していないことにもなる。

「はぎうだ光一後援会」の代表である萩生田光一と同会計責任者であった高橋寛行は、清和政策研究会からの寄付を150万円として虚偽の記載をし、また、本後援会2012年分収支報告書の収入欄に清和政策研究会からの当該200万円の寄付を記載し、同支出欄に差額50万円分の使途及び金額を記載する義務を負っていたものであるが、上記両名は、共謀の上、上記義務に違反して、それらを一切記載せず、同収支報告書を東京都選挙管理委員会に2013年5月30日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号・第3号(不記載罪・虚偽記載罪)に違反したものである。

 

3 後援団体の「慶弔見舞金」に関する被疑事実

 

(1)2014年「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」について

 ア 2014年本支部の収支報告書に「慶弔見舞金」として合計「137万500 0円」と記載があったが、高木毅復興大臣の政党支部等が選挙区内の者に「香典」等を支出していたとの報道(参照、NHK「高木復興相代表の自民支部「香典支出」と記載」2015年11月1日 17時19分)がなされた翌日・2015年(平成27年)11月2日に突然、「100,000円」と訂正され、「慶弔見舞金」は「127万5000円」の減額がなされた(甲第2号証58頁)。

イ 公職選挙法違反の疑い

本支部は萩生田光一議員の公職選挙法第199条の5第1項に定める「後援団体」に該当するところ、もし、「慶弔見舞金」の減額された「金127万5000円分」が萩生田光一の選挙区内にある者には寄附をしていた場合は、「後援団体」である本支部の役職者である萩生田光一及び高橋寛行らは、公職選挙法第249条の5第1項(法199条の5第1項後援団体に関する寄附等の禁止)に違反することになる。

ウ 政治資金規正法違反の疑い

上記(1)の減額につき、本支部の代表(支部長)である萩生田光一は、2014年1月1日から同年12月末まで本支部の会計責任者であった高橋寛行と共謀して、

真実は同支部が萩生田光一の選挙区内にある者に「慶弔見舞金」として合計127万5000円を寄付していたのに、

2015年11月2日に、当時その分の支出をしていなかったと虚偽の弁明をして本支部2014年収支報告書(甲第2号証)に記載されていた「慶弔見舞金」合計137万5000円を上記127万5000円減額して10万円に「訂正」し、あわせて、「支出総額」「翌年への繰越額」等をその分減額する「訂正」をし、

もって政治資金規正法第25条第1項第3号(虚偽記載罪)に違反したものである。

 

(2) 「はぎうだ光一後援会」について

 ア 2012年「はぎうだ光一後援会」の収支報告書に「慶弔見舞」として合計「122万5000円」と記載があったが、高木大臣の政党支部等が選挙区内の者に「香典」等を支出していたとの報道(参照、前掲NHK報道)がなされた翌日・2015年(平成27年)11月2日に突然、「90,000円」と訂正され、「慶弔見舞」は「113万5000円」の減額がなされた(甲第7号証14頁)。

2013年「はぎうだ光一後援会」の収支報告書に「慶弔見舞」として合計「127万5000円」と記載があったが、高木大臣の政党支部等が選挙区内の者に「香典」等を支出していたとの報道(参照、前掲NHK報道)がなされた翌日・2015年(平成27年)11月2日に突然、「120,000円」と訂正され、「慶弔見舞」は「115万5000円」の減額がなされた(甲第10号証17頁)。

イ 公職選挙法違反の疑い

本後援会は萩生田光一議員の公職選挙法第199条の5第1項に定める「後援団体」に該当するところ、もし、「慶弔見舞」の減額された2013年「金115万5000円分」のうち萩生田光一の選挙区内にある者には寄附をしていた場合は、「後援団体」である本支部の役職者である萩生田光一及び高橋寛行らは、公訴時効に抵触しない範囲で、公職選挙法第249条の5第1項(法199条の5第1項後援団体に関する寄附等の禁止)に違反することになる。

ウ 政治資金規正法違反の疑い

上記(ア)の減額につき、本後援会の代表(支部長)である萩生田光一は、2014年1月1日から同年12月末まで本支部の会計責任者であった高橋寛行と共謀して、

真実は本後援会の萩生田光一の選挙区内にある者に「慶弔見舞」として

2012年分は合計「113万5000円」を寄付し、

2013年分は合計「115万5000円」を寄付していたのに、

それぞれ、上記、ア、記載の通り「慶弔見舞」を減額し、あわせて、「支出総額」「翌年への繰越額」等をその分減額する「訂正」をし、

もって政治資金規正法第25条第1項第3号(虚偽記載罪)に違反したものである。

 

第2 罪名及び罰条

1 上記告発事実1(1)及び(2)について

被告発人萩生田光一および同高橋寛行の行為は、政治資金規正法第25条第1項第2号(政治資金収支報告書不記載罪)、刑法第60条(共同正犯)

2 上記告発事実2について

被告発人萩生田光一のおよび同高橋寛行の行為は、政治資金規正法第2 5条第1項2号・第3号(政治資金収支報告書不記載罪・虚偽記載罪)、 刑法第60条(共同正犯)

3 上記告発事実3について

(1)同(1)及び(2)各イの告発事実について

萩生田光一および会計責任者・高橋寛行の各行為は、公職選挙法第294条の5第1項違反罪(同法第199条の5第1項違反)、 刑法第60条(共同正犯)

(2)同(1)及び(2)の各ウの告発事実について

萩生田光一および会計責任者・高橋寛行の行為は、政治資金規正法第25条第1項第3号(政治資金規正法の虚偽記載罪)、刑法第60条(共同正犯)

 

告発の理由

 

1 公職選挙法と政治資金規正法の定め

①公職選挙法は、衆議院議員総選挙に際して、出納責任者に対し、「選挙運動に関する収支報告書」(選挙運動収支報告書)を作成し、都道府県の選挙管理委員会に提出するよう命じている(第189条第1項)。

②また、政治資金規正法は、「政治団体の会計責任者(報告書の記載に係る部分に限り、会計責任者の職務を補佐する者を含む。)は、毎年12月31日現在で、当該政治団体に係るその年における収入、支出その他の事項で次に掲げるもの(これらの事項がないときは、その旨)を記載した報告書を、その日の翌日から3月以内(……)に、第6条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出しなければならない。」と定めている(第12条第1項)。

「国会議員関係政治団体」とは「衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者である政治団体」や「租税特別措置法 (…)第41条の18第1項第4号に該当する政治団体のうち、特定の衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者を推薦し、又は支持することを本来の目的とする政治団体」のほかに、「政党の支部で、公職選挙法第12条に規定する衆議院議員又は参議院議員に係る選挙区の区域又は選挙の行われる区域を単位として設けられるもののうち、衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者であるもの」も「国会議員関係政治団体とみなす」と定め(第19条の7第1項)、「国会議員関係政治団体(……)の会計責任者が政治団体の会計責任者として行う第12条第1項及び第2項……の規定による報告書及び領収書等の写しの提出に係る第12条第1項……の規定の適用については、第12条第1項中『3月以内』とあるのは『5月以内』と、……、同項第2号中「経費以外の経費の支出」とあるのは「経費以外の経費(第19条の7第1項に規定する国会議員関係政治団体である間に行った支出にあっては、人件費以外の経費)の支出」と……する、と定めている(第19条の10)。

そして、同法は、「第12条第1項……の報告書又はこれに併せて提出すべき書面に虚偽の記入をした者」につき「5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金に処する」と罰則を定めている(第25条第3号)。したがって、もし収入につき収支報告書に虚偽の記載がなされた場合があると「5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金」という刑罰でもって収入につき真実の報告を厳しく要求しているのである。

 

2 2014年「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」の被疑事実について

(1)萩生田光一衆議院議員の「出所不明」2014年12月選挙資金の金500万円の不記載の被疑事実

萩生田光一は、現在、第三次安倍晋三内閣の内閣官房副長官に就任しているが、2014年12月衆議院議員総選挙において立候補し、当選した公職の候補者であった。同人の出納責任者であった多田恵行は、本件選挙運動収支報告書を同年11月19日から12月13日までの間に本支部から11月25日に金1000万円、12月4日に金500万円、12月11日に金500万円、計金2000万円の寄附を受けた旨記載した本件選挙運動収支報告書を東京都選挙管理委員会に「1回分」として同年12月29日に提出している。

一方、萩生田光一は本支部の代表(支部長)であり、高橋寛行は2014年1月1日から同年12月末まで本支部の会計責任者であったところ、

本支部2014年収支報告書の支出欄には、同年11月25日に金1000万円を、12月4日に金500万円を、それぞれ「はぎうだ光一選挙対策本部」に寄付した旨記載をしているものの、12月11日に500万円を萩生田光一または「はぎうだ光一選挙対策本部」に寄附した旨の記載は一切ない。

本件選挙運動収支報告書通りとすれば、本支部は、500万円の供与者の氏名・住所を公表できない、いわば「出所不明」の闇ガネで調達したものだから、あえて記載しなかったとみなさざるをえない。

本支部の代表(支部長)である萩生田光一と、2014年1月1日から同年12月末まで本支部の会計責任者であった高橋寛行は、本支部2014年収支報告書の支出欄に萩生田光一に対し同年12月11日に500万円を寄付した旨を記載し、同収入欄に当該500万円に見合う収入を記載する義務があったところ、共謀の上、上記義務に違反して、それらを一切記載せず、同収支報告書を東京都選挙管理委員会に2015年5月28日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

(2)「政策活動費」という不明朗な政治資金が原資の可能性

上記500万円の原資は、そもそも自由民主党本部が毎年、同党幹事長ら国会議員個人に支出している「政策活動費」という不明朗な政治資金である疑いが濃厚である。

私達が今年になってから告発した、松村祥史議員(熊本県選出)は2010年参議院通常選挙の際に3500万円、末松伸介議員(兵庫県選出)は同1157万3000円、猪口邦子議員(千葉選出)は同517万円、中西祐介議員(徳島県選出)は同345万6977円、中原八一議員(新潟県選出)は同500万円、青木一彦議員(島根県選出)は同600万円と相当な選挙資金について、「出所不明」の極めて不透明な調達がなされている。

告発されるとこれらの議員達は、「自己資金」であった等の弁明を繰り返しているし、今後も同様の弁明を繰り返すことが予想される。「自己資金」か、政党支部などからのカネであるかは、議員本人が一番良く知りうる立場である。選挙運動費用収支報告書の届をなす出納責任者も同様であり、単純なミスであるとの説明を信じることはできない。

これほど多くの議員達の選挙運動資金の「不透明な調達」の背景として、自民党議員の選挙資金の調達には相当な「裏カネ」があるのでないかと疑問をもつ。

その典型は自民党本部が幹事長などの議員個人に配布する「政策活動費」という、使途の報告されない議員個人への寄附金である。

2010年1月から7月21日までに当時の自民党幹事長であった大島理森議員に3億8550万円など9名の議員に2010年1月から7月の選挙終了まで合計5億1800万円が交付されていたが、これらの議員達はこの巨額の資金を何に使ったか一切報告していない。

今回の告発における萩生田光一の場合、2014年11月21日に衆議院が解散され(同年12月2日公示)、12月14日に総選挙の投開票が施行されたところ、自民党本部は11月21日から12月14日までの期間に限定しても谷垣禎一幹事長に計4億7500万円の「政策活動費」を支出しているが、その使途は不明のままである(同年の同党本部の「政策活動費」名目の支出総額は15億9260万円)。

このような巨額の資金の一部が被告発議員の選挙資金の「不透明な調達」の背景にある可能性も高い。

検察庁においては、被告発人の会計帳簿、銀行預金通帳の押収のみならず、自民党の谷垣幹事長個人に交付された4億7500万円の「政策活動費」の具体的使途についても捜査されたく要請する。

(3)受領寄付(交付金)計50万9527円の不記載と「闇ガネ」支出の被疑事実

萩生田光一は本支部の代表(支部長)であり、高橋寛行は2014年1月1日から同年12月末まで本支部の会計責任者であったところ、

都支部連2014年分収支報告書の支出覧には、本支部に対し2014年2月13日に22万円、3月12日に18万9527円、12月2日30万円、12月3日3万円計73万9527円を寄付・交付金として支出した旨の記載があるが、

本支部2014年収支報告書によると、本支部は、都支部連から寄付・交付金として2014年12月11日30万円の寄附を受領した旨、記載しているものの、2014年2月13日に22万円、3月12日に18万9527円、12月2日30万円、12月3日3万円、計73万9527円を寄付・交付金として受領した旨の記載をしてはいない。

なお都支部連2014年分収支報告書通りとし、かつ12月2日の30万円が12月11日の30万円と善解するとしても、本支部は、当該計43万9527円を収入に含めていないから「政治活動の闇ガネ」として支出されたものであるとしか考えられない。

萩生田光一と本支部の会計責任者であった高橋寛行は、本件2014年分本支部収支報告書の収入欄に都支部連から2014年2月13日に22万円、3月12日に18万9527円、12月3日3万円計43万9527円を寄付・交付金として受領した旨記載し、同支出欄にその使途及び金額を記載する義務を負っていたところ、共謀の上、上記義務に違反して、それらを一切記載せず、同収支報告書を東京都選挙管理委員会に2015年5月28日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

 

2 「はぎうだ光一後援会」の計50万円の「闇ガネ」収支(2012年)の被疑事実

(1)萩生田光一は本後援会の代表であり、高橋寛行は2012年1月1日から同年12月末まで本後援会の会計責任者であったところ、

清和政策研究会が2013年3月26日に東京都選挙管理員会に提出し、同選挙管理委員会を介して同年4月15日に総務大臣に提出した清和政策研2012年分収支報告書の支出欄には、2012年7月4日に「はぎうだ光一後援会事務所」に200万円を寄付した旨の記載がある。

一方、本後援会2012年分収支報告書によると、本後援会は清和政策研究会から2012年7月4日に寄付を受領した旨記載しているが、受領額は150万円と記載されており、その差額50万円は記載されていない。

清和政策研2012年分収支報告書通りとすれば、本後援会は、その差額50万円を収入に含めていないから、「政治活動の闇ガネ」として支出したものと考えられる。

萩生田光一と本後援会の会計責任者であった高橋寛行は、共謀の上、世話政策研究会からの寄付を150万円として虚偽の記載をし、また、本後援会2012年分収支報告書の収入欄に清和政策研究会からの当該200万円の寄付を記載し、同支出欄に上記差額50万円分の使途及び金額を記載する義務に違反し、それらを記載せず、同収支報告書を東京都選挙管理委員会に2013年5月30日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号・第3号(不記載罪・虚偽記載罪)に違反したものである。

 

3 後援団体の「慶弔見舞金」に関する被疑事実

(1)2014年「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」について

 ア 2014年本支部の収支報告書に「慶弔見舞金」として合計「137万500 0円」と記載があったが、高木毅復興大臣の政党支部等が選挙区内の者に「香典」等を支出していたとの報道(参照、NHK「高木復興相代表の自民支部「香典支出」と記載」2015年11月1日 17時19分)がなされた翌日・2015年(平成27年)11月2日に突然、「100,000円」と訂正され、「慶弔見舞金」は「127万5000円」の減額がなされた(甲第2号証58頁)。

イ 公職選挙法違反の疑い

本支部は萩生田光一議員の公職選挙法第199条の5第1項に定める「後援団体」に該当するところ、もし、「慶弔見舞金」の減額された「金127万5000円分」が萩生田光一の選挙区内にある者には寄附をしていた場合は、「後援団体」である本支部の役職者である萩生田光一及び高橋寛行らは、公職選挙法第249条の5第1項(法199条の5第1項後援団体に関する寄附等の禁止)に違反することになる。

ウ 政治資金規正法違反の疑い

上記(1)の削減が、本支部の代表(支部長)である萩生田光一は、2014年1月1日から同年12月末まで本支部の会計責任者であった高橋寛行と共謀して、

真実は同支部が萩生田光一の選挙区内にある者に「慶弔見舞金」として合計127万5000円を寄付していたのに、

2015年11月2日に、当時その分の支出をしていなかったと虚偽の弁明をして本支部2014年収支報告書(甲第2号証)に記載されていた「慶弔見舞金」合計137万5000円を上記127万5000円減額して10万円に「訂正」し、あわせて、「支出総額」「翌年への繰越額」等をその分減額する「訂正」をし、

もって政治資金規正法第25条第1項第3号(虚偽記載罪)に違反したものである。

 

(2) 「はぎうだ光一後援会」について

 ア 2012年「はぎうだ光一後援会」の収支報告書に「慶弔見舞」として合計「122万5000円」と記載があったが、高木大臣の政党支部等が選挙区内の者に「香典」等を支出していたとの報道(参照、前掲NHK報道)がなされた翌日・2015年(平成27年)11月2日に突然、「90,000円」と訂正され、「慶弔見舞」は「113万5000円」の減額がなされた(甲第7号証14頁)。

2013年「はぎうだ光一後援会」の収支報告書に「慶弔見舞」として合計「127万5000円」と記載があったが、高木大臣の政党支部等が選挙区内の者に「香典」等を支出していたとの報道(参照、前掲NHK報道)がなされた翌日・2015年(平成27年)11月2日に突然、「120,000円」と訂正され、「慶弔見舞」は「115万5000円」の減額がなされた(甲第10号証17頁)。

イ 公職選挙法違反の疑い

本後援会は萩生田光一議員の公職選挙法第199条の5第1項に定める「後援団体」に該当するところ、もし、「慶弔見舞」の減額された2013年「金115万5000円分」のうち萩生田光一の選挙区内にある者には寄附をしていた場合は、「後援団体」である本支部の役職者である萩生田光一及び高橋寛行らは、公訴時効に抵触しない範囲で、公職選挙法第249条の5第1項(法199条の5第1項後援団体に関する寄附等の禁止)に違反することになる。

ウ 政治資金規正法違反の疑い

上記(ア)の削減が、本後援会の代表(支部長)である萩生田光一は、2014年1月1日から同年12月末まで本支部の会計責任者であった高橋寛行と共謀して、

真実は本後援会の萩生田光一の選挙区内にある者に「慶弔見舞」として

2012年分は合計「113万5000円」を寄付し、

2013年分は合計「115万5000円」を寄付していたのに、

それぞれ、上記、ア、記載の通り「慶弔見舞」を減額し、あわせて、「支出総額」「翌年への繰越額」等をその分減額する「訂正」をし、

もって政治資金規正法第25条第1項第3号(虚偽記載罪)に違反したものである。

 

証  拠  目  録

甲第1号証 (本件選挙運動収支報告書)             1通

甲第2号証 (本支部2014年収支報告書)        1通

甲第3号証 (都支部連2014年分収支報告書)    1通

甲第4号証 (都支部連2012年分収支報告書)    1通

甲第5号証 (本支部2012年分収支報告書)     1通

甲第6号証 (清和政策研2012年分収支報告書)   1通

甲第7号証 (本後援会2012年分収支報告書)    1通

甲第8号証 (本後援会2010年分収支報告書)    1通

甲第9号証 (本後援会2011年分収支報告書)    1通

甲第10号証 (本後援会2013年分収支報告書)   1通

甲第11号証 (本後援会2014年分収支報告書)   1通

 

添 付 書 類

 

委任状                          15 通

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