政治資金オンブズマン

中原八一議員(新潟県選挙区)を7月実施の参議院選挙における落選対象議員第7号として告発しました

中原八一議員(新潟選挙区)を7月実施の参議院選挙における落選対象議員第7号として告発しました

新潟の中原八一議員(自民党)を落選対象議員の第7号として3月14日付で新潟地方検察庁に政治資金規正法違反で告発しました。

安保法制に賛成した議員であることにプラスして、「政治とカネ」についても極めて不透明な議員であると思われます。

中原八一事務所

中原八一事務所

告発理由

安保法制賛成議員にプラスして政治とカネについて2010年7月の参議院選挙に際して極めて不透明な資金で選挙資金を捻出している疑いがあることです。なお当時の自民党の幹事長などが自民党本部から約5億円余の資金を受取っています。1回で6000万円を受けとった議員もいます(写真を参考)。ところがこれらの議員はどこに、幾ら誰に配ったか一切報告していせん。選挙資金が不透明な資金で調達されている議員はそれだけでも失格です。
このような理由から告発しました。

自民党の2010年参議院選挙前の政策活動費

自民党の2010年参議院選挙前の政策活動費1

自民党の2010年参議院選挙前の政策費

自民党の2010年参議院選挙前の政策費2

告  発  状

 

2016年3月14日

新潟地方検察庁 御 中

上脇博之告発人ら15名代理人

   弁 護 士    阪 口 徳 雄

(別紙代理人目録記載の弁護士26名代表)

 

中原八一政経研究会「自由民主党新潟県支部連合会」

政治資金規正法違反告発事件

当事者の表示 - 別紙当事者目録記載のとおり

告発の趣旨

被告発人中原八一(資金管理団体「中原八一政経研究会」の代表)被告発人小林正幸(「中原八一政経研究会」会計責任者)被告発人帆苅謙治(「自由民主党新潟県支部連合会」会計責任者)の各行為は、以下の被疑事実記載の法条に違反するので早急に捜査の上、厳重に処罰していただきたく告発する。

 

               記            

第1 被 疑 事 実

1 寄付金500万円の「出所不明」の被疑事実

政治団体「中原八一政経研究会」(以下「政経研究会」という)は、被告発人中原八一の資金管理団体であり、被告発人中原八一はその代表であり、被告発人小林正幸は、その会計責任者であるところ、

「自由民主党新潟県支部連合会」(以下「県支部連」という)が2011年2月4日に新潟県選挙管理員会に提出した、政治資金規正法第12条に定める2010年分政治資金収支報告書の収入覧(甲1号証)に、「政経研究会」から2010年3月27日(37日とあるが27日の誤記だろう)に金500万円の寄附を受けた旨の記載(甲1号証48頁)をしているが、「政経研究会」の政治資金規正法に定める2010年分政治資金収支報告書(本件2010年分「政経研究会」収支報告書という)(甲2号証)によると「県支部連」に寄附した旨の記載は一切ないし、「政経研究会」には当時、500万円を支払うだけの資金はあったものの、「翌年への繰越額」は0円なので、言わば500万円の政治資金は「出所不明」の資金によって調達されたとしか考えられない。

本件2010年分「県支部連」収支報告書通りとすれば、「政経研究会」代表の被告発人中原八一と会計責任者の被告発人小林正幸は、共謀の上、本件2010年分「政経研究会」収支報告書の収入欄に500万円に見合う収入を記載する義務と、また同支出覧には「県支部連」に対し計500万円を寄付した旨を記載する義務があったのに、それらを一切記載せず、同収支報告書を新潟県選挙管理委員会に2011年5月31日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

 

2 受領寄付50万円の「闇ガネ」支出の被疑事実

①「志帥会」(しすい会)が2015年2月16日に、東京都選挙管理員会を介して総務大臣に提出した、政治資金規正法第12条に定める2014年分政治資金収支報告書の支出覧には、「政経研究会」に2014年11月20日50万円を寄付した旨の記載(甲3号証27頁番号66)をしているが、一方、「政経研究会」の政治資金規正法に定める2014年分政治資金収支報告書(本件2014年分「政経研究会」収支報告書という)によると、「志帥会」からの当該寄付を受領した旨の記載もなく(甲4号証)、その分は政治活動の闇ガネまたは衆議院総選挙の闇ガネとして支出されたものである。

本件2014年分「志帥会」収支報告書通りとすれば、「政経研究会」代表の被告発人中原八一と同会計責任者の被告発人小林正幸は、共謀の上、本件2014年分「政経研究会」収支報告書の収入欄に「志帥会」からの当該50万円の寄付を記載する義務と、また同支出覧にはその分の支出を記載する義務があったのに、それらを一切記載せず、同収支報告書を新潟県選挙管理委員会に2015年6月1日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

②なお、上記①が被告発人小林正幸の単独犯であり、被告発人中原八一の共謀共同正犯が成立しない場合であっても、「政経研究会」代表の被告発人中原八一は、上記①において会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったので、政治資金規正法第25条第2項に違反する(予備的告発)。

 

3 受領寄付金計122万円の「闇ガネ」支出の被疑事実

被告発人帆苅謙治は、「県支部連」の会計責任者であるところ、

「自由民主党新潟県参議院選挙区第三支部」(以下「選挙区第三支部」という)が2013年5月30日に新潟県選挙管理員会に提出した、政治資金規正法第12条に定める2012年分政治資金収支報告書の支出覧には、「県支部連」に2012年12月25日に122万円を寄付した旨の記載(甲5号証18頁23番)しているが、一方、「県支部連」の政治資金規正法に定める2012年分「県支部連」収支報告書によると、「選挙区第三支部」からの当該寄付を受領した旨の記載もなく(甲6号証)、その分は政治活動の闇ガネまたは衆議院議員総選挙の闇ガネとして支出されたものである。

本件2012年分「選挙区第三支部」収支報告書通りとすれば、「県支部連」の会計責任者であった被告発人帆苅謙治は、本件2012年分「県支部連」収支報告書の収入欄に「第三支部」からの当該122万円の寄付を記載する義務と、また同支出覧にはその分の支出を記載する義務があったのに、それらを一切記載せず、同収支報告書を新潟県選挙管理委員会に2013年1月21日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

 

第2 罪名及び罰条

1 上記1の被疑事実について

被告発人中原八一と被告発人小林正幸は政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)

2 上記2の被疑事実について

被告発人中原八一と被告発人小林正幸は政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)

予備的告発(上記2につき共謀共同正犯が成立しない場合)

被告発人中原八一は政治資金規正法第25条第2項(会計責任者の選任・監督責任)

3 上記3の被疑事実について

被告発人帆苅謙治は政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)

 

告発の理由

 

1 政治資金規正法の定め

①政治資金規正法は、「政治団体の会計責任者(報告書の記載に係る部分に限り、会計責任者の職務を補佐する者を含む。)は、毎年12月31日現在で、当該政治団体に係るその年における収入、支出その他の事項で次に掲げるもの(これらの事項がないときは、その旨)を記載した報告書を、その日の翌日から3月以内(……)に、第6条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出しなければならない。」と定めている(第12条第1項)。

「国会議員関係政治団体」とは「衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者である政治団体」や「租税特別措置法 (…)第41条の18第1項第4号に該当する政治団体のうち、特定の衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者を推薦し、又は支持することを本来の目的とする政治団体」のほかに、「政党の支部で、公職選挙法第12条に規定する衆議院議員又は参議院議員に係る選挙区の区域又は選挙の行われる区域を単位として設けられるもののうち、衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者であるもの」も「国会議員関係政治団体とみなす」と定め(第19条の7第1項)、「国会議員関係政治団体(……)の会計責任者が政治団体の会計責任者として行う第12条第1項及び第2項……の規定による報告書及び領収書等の写しの提出に係る第12条第1項……の規定の適用については、第12条第1項中『3月以内』とあるのは『5月以内』と、……、同項第2号中「経費以外の経費の支出」とあるのは「経費以外の経費(第19条の7第1項に規定する国会議員関係政治団体である間に行った支出にあっては、人件費以外の経費)の支出」と……する、と定めている(第19条の10)。

そして、同法は、「第12条第1項……の報告書又はこれに併せて提出すべき書面に虚偽の記入をした者」につき「5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金に処する」と罰則を定めている(第25条第3号)。したがって、もし収入につき収支報告書に虚偽の記載がなされた場合があると「5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金」という刑罰でもって収入につき真実の報告を厳しく要求しているのである。

②また、政治資金規正法は、第25条第1項違反の場合、「政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠った」ときは「50万円以下の罰金に処する」と定めている(政治資金規正法第25条第2項)。

 

2 寄付金500万円の「出所不明」の事実

被告発人中原八一は、2010年7月参議院議員通常選挙で新潟県選挙区において自由民主党位から立候補し、当選した公職の候補者であり、同人の資金管理団体で国会議員関係政治団体である「政経研究会」の代表であった。被告発人小林正幸は、同資金管理団体の会計責任者であった。

一方、「県支部連」は、政治資金規正法第12条に定める2010年分政治資金収支報告書を2011年2月4日に新潟県選挙管理員会に提出しているところ、その政治資金収支報告書の収入覧には、「政経研究会」から2010年3月27日(37日とあるが27日の誤記だろう)に金500万円の寄附を受けた旨の記載をしている。

ところが、「政経研究会」の本件2010年分「政経研究会」収支報告書には、「県支部連」に寄附した旨の記載は一切ないし、「政経研究会」には当時、500万円を支払うだけの資金はあったものの、「翌年への繰越額」は0円なので、当時当該500万円を寄付していれば500万円の赤字になっていたはずであるから、言わば500万円の政治資金は「出所不明」の資金によって調達されたとしか考えられない。

本件2010年分「県支部連」収支報告書通りとすれば、「政経研究会」の代表である被告発人中原八一と会計責任者の被告発人小林正幸は、共謀の上、収入欄には500万円に見合う収入を、また支出覧には「県支部連」に対し計500万円を寄付した旨を、それぞれ本件2010年分「政経研究会」収支報告書に記載する義務があったのに、そのいずれをも一切記載せず、同収支報告書を新潟県選挙管理委員会に2011年5月31日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

 

3 受領寄付50万円の「闇カネ」の被疑事実

①「志帥会」は、2015年2月16日に東京都選挙管理員会(2015年2月4日)を介して総務大臣に、政治資金規正法第12条に定める2014年分政治資金収支報告書を提出したが、同報告書の支出覧には、「政経研究会」に対し2014年7月10日に100万円を寄付し、同年11月20日に50万円を寄付した旨の記載をしていた。

しかし、一方、「政経研究会」の政治資金規正法に定める本件2014年分「政経研究会」収支報告書によると、「志帥会」からの寄付の受領については, 2014年7月10日100万円については記載されているものの、同年11月20日に50万円の寄付を受領した旨の記載はない。

「志帥会」は、2010年にも「政経研究会」に20万円(5月27日)と30万円(12月24日)を寄付していると政治資金収支報告書に記載していたが、「政経研究会」は、同年分政治資金収支報告書においても「志帥会」からの20万円の寄付受領は記載しているものの、30万円の寄付受領を記載しておらず、2012年3月16日に政治団体からの寄付を30万円増額する訂正をしており(「新潟県公報」2012年3月30日・25号378頁)、会計責任者は「今後単純なミスをしないよう細心の注意を払って政治資金収支報告書を記載しなければならない」と痛感していたはずであるから、2014年の上記不記載は、単純なミスではなく、故意に行われたものであるとしか考えられない。

2014年当時衆議院が解散されたのは、当該50万円の寄付の翌日(同年11月21日)であり、総選挙の事実上の選挙戦に突入することが分かっていた時期である。それゆえ、当該50万円は支出を明らかにできない、政治活動の闇ガネまたは衆議院総選挙の闇ガネだったからこそ、当該寄付の受領を記載しなかったものであろう。

本件2014年分「志帥会」収支報告書通りとすれば、「政経研究会」代表の被告発人中原八一と同会計責任者の被告発人小林正幸は、共謀の上、「志帥会」からの当該50万円の寄付を収入に記載せず、また支出覧にはその分の支出を本件2014年分「政経研究会」収支報告書に記載する義務があったのに、それらを一切記載せず、同収支報告書を新潟県選挙管理委員会に2015年6月1日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第1号(不記載罪)に違反したものである。

②なお、上記①が被告発人小林正幸の単独犯であり、被告発人中原八一の共謀共同正犯が成立しない場合であっても、被告発人中原八一は「政経研究会」の代表である以上、前述のように2012年に増額訂正を行っており、それゆえ会計責任者を交代させるべきであったのに交代させなかったのであるから、被告発人中原八一は、上記①において会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったと評しうるので、政治資金規正法第25条第2項に違反する(予備的告発)。

 

4 受領寄付金計122万円の「闇ガネ」支出の被疑事実

被告発人帆苅謙治は、「県支部連」の会計責任者であるところ、

「第三支部」が2013年5月30日に新潟県選挙管理員会に提出した、政治資金規正法第12条に定める2012年分政治資金収支報告書の支出覧には、「県支部連」に2012年12月25日に122万円を寄付した旨の記載をしている。

しかし、一方、「県支部連」の政治資金規正法に定める2012年分「県支部連」収支報告書によると、第三支部からの当該寄付を受領した旨の記載はない。当該寄付になされる時期は、当時衆議院議員総選挙の施行(同年同月16日)直後であり、総選挙の選挙運動費用の収支作業が終わろうとする時期である。それゆえ、当該122万円は支出を明らかにできない、政治活動の闇ガネまたは衆議院総選挙の闇ガネだったからこそ、当該寄付の受領を記載しなかったものであろう。

本件2012年分「第三支部」収支報告書通りとすれば、「県支部連」の会計責任者であった被告発人帆苅謙治は、「第三支部」からの当該122万円の寄付を収入に記載せず、また支出覧にはその分の支出を本件2012年分「県支部連」収支報告書に記載する義務があったのに、それらを一切記載せず、同収支報告書を新潟県選挙管理委員会に2013年1月21日に提出し

もって政治資金規正法第25条第1項第2号(不記載罪)に違反したものである。

 

5 2010年7月選挙資金に関して選挙運動費用収支報告書等に記載のある金額がこれほど真実の出所と大幅に異なるのか。

私達が今年になってから告発した、松村祥史議員(熊本県選出)は3500万円、末松伸介議員(兵庫県選出)は1157万3千円、猪口邦子議員(千葉選出)は517万円の2010年の相当な選挙資金の「出所」に極めて「不透明な形で調達」されている。今回告発する中西祐介議員(徳島県選出)は345万6977円、中原八一議員(新潟県選出)は500万円、青木一彦議員(島根県選出)は600万円と同様の「不透明な調達」をしている。

告発されるとこれらの議員達は、「自己資金」であったとかの弁明を繰り返しているし、今後も同様の弁明を繰り返すことが予想される。「自己資金」か政党支部などからのカネであるかは、議員本人が一番良く知りうる立場である。選挙運動費用収支報告書の届をなす出納責任者も同様であり、単純なミスであるとの説明を信じることはできない。

これほど多くの議員達の選挙運動資金の「不透明な調達」の背景として、自民党議員の選挙資金の調達には相当な「裏カネ」があるのでないかと疑問をもつ。

その典型は自民党本部が幹事長などの議員個人に配布する「政策活動費」という、使途の報告されない議員個人への寄附金である。2010年1月から7月21日までに当時の自民党幹事長であった大島理森議員に3億8550万円、尾辻秀久議員には5月31日に一度に6000万円、河村建夫議員には5月13日から6月30日にかけて合計1150万円など9名の議員に2010年1月から7月の選挙終了まで合計5億1800万円が交付されている。これらの議員達はこの巨額の資金を何に使ったか一切報告していない。このような資金の一部が被告発議員の選挙資金の「不透明な調達」の背景にある可能性も高い。時効が近いが、このような巨額の不透明な資金について早急に捜査を遂げ厳罰に処して頂きたく告発する次第である。

 

 

証  拠  目  録

1 甲1号証 自由民主党新潟支部連合会収支報告書(2010年分)

2 甲2号証 中原八一政経研究会収支報告書(2010年分)

3 甲3号証 志師会収支報告書(2014年分)

4 甲4号証 中原八一政経研究会収支報告書(2014年分)

5 甲5号証 自由民主党新潟県参議院選挙区第3支部収支報告書(2012年分)

6 甲6号証 自由民主党新潟支部連合会収支報告書(2012年分)

添  付  書  類

1 甲各号証写し                   各1通

2 委任状                      15通

被告発人目録
被告発人氏名 住所
1 中原八一 新潟市西区内野町1333番地
2 小林正幸 新潟市西区内野町1333番地
3 帆苅謙治 住所不明

 

 

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